15日、SBIリクイディティ・マーケット及びSBI FXトレードは、FX取り引きにおける有人コールセンター及びメールサポートへの対応に人工知能(AI)技術を導入するため、日本マイクロソフトと連携することを発表した。日本マイクロソフトは機械学習ソリューションである「Azure Machine Learning」や、対話型コミュニケーションプラットフォーム「Bot Framework」、各種認識サービスをAPIで提供する「Cognitive Services」、データ可視化サービスの「Power BI」など各技術を提供し、SBIリクイディティ・マーケット及びSBI FXトレードは、顧客からの問い合わせにリアルタイムで対応。2017年4月まで検証を行い、同年5月からの実稼働を予定している。

「Bot Framework」を活用した顧客対応の自動化概要図

当初はFAQとして蓄積した定型文章を自動回答し、顧客とのやり取りから得たデータや履歴をAIに学習させることで、将来的には個別口座や取引状況などを鑑みた顧客対応を目指す。本プロジェクトと並行して、過去の取り引きに基づくビッグデータの分析や可視化でFX取り引きのリスク管理に対しても、最適化や効率化を実現する取り引き環境の向上も行われる。マイクロソフトは利用者とのコミュニケーションにAI技術を活用し、利用シーンの拡充や可能性の広がりを目指す「AIの民主化」を直近の目標とすることを2017年2月に発表している。既に米国ではBot FrameworkやCustom Speech Serviceを利用し、大手ハンバーガーショップのドライブスルー自動化など利用シーンが広がっているという。

阿久津良和(Cactus)