博報堂は2月7日、専門組織となる博報堂新しい大人文化研究所において、50代男性のセカンドライフ(定年後、60歳以降の生活)に焦点をあてた調査を実施し、その結果を発表した。

同調査は、1都3県(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)在住の50代男性有職者(定年前グループ)と、60~65歳男性(定年後グループ)の計275サンプルを対象に、2016年8月インターネットを用いて実施されたもの。

これによると、セカンドライフを迎える50代において、今後活性化する可能性が高い「3つの投資」があるという。

50代は、セカンドライフをどう考える?

同調査では、下記の質問を投げかけている。

Q:<期待指数>
あなたは、ご自分の定年後(または60歳以降)の人生を、どの程度楽しみにしていますか。100点満点で点数をつけてください。
※全く何も楽しみにしていない場合が0点、定年後(または60歳以降)のことを非常に(最大限に)楽しみしている場合を100点としてお考えください。

Q: <不安指数>
あなたは、ご自分の定年後(または60歳以降)の人生に対して、どの程度不安を感じていますか。100点満点で点数をつけてください。

※全く何の不安もない場合が0点、定年後(または60歳以降)のことを非常に(最大限に)不安を感じている場合を100点としてお考えください。

Q: <準備指数>
それでは、定年後(60歳以降)の仕事や暮らしに向けて、現時点でご自身の準備は実際にどの程度整っているとお考えですか。
全体的にみて、準備万端整っている状態を100%として、現時点で実際に何パーセント整っているかをお答えください。

これらに対する回答を年齢別に見ると、54歳(50代前半)までは紆余曲折、55歳を超える(50代後半)と期待が徐々に高まるとともに、不安は減少傾向に向かっている。そのため、「55歳」が意識変化のターニングポイントとなっていると考えられるという。

セカンドライフ(定年後の生活)に対する「期待指数」「不安指数」「準備指数」(出典:博報堂新しい大人文化研究所)

続いて、セカンドライフへの期待と不安を「期待指数」と「準備指数」の平均値を基準値として4つのグループに分けると、期待を平均値以上に持っている層が半数を超える。一方で、期待も準備も低い層が最も多く35.1%を占める。

出典:博報堂新しい大人文化研究所

これらの4つのグループは、属性やセカンドライフに対する意識に違いが見られ、同研究所はこれを「パイオニア」と「ドリーマー」「プロフェッショナル」「サバイバー」と位置づけた。そして、それぞれのグループで考えられる課題にも違いがあると分析する。

「パイオニア」「ドリーマー」「プロフェッショナル」「サバイバー」の詳細 (出典:博報堂新しい大人文化研究所)

セカンドライフを迎えるにあたって必要な準備を尋ねたところ、60歳以降に必要な資金や健康など「生きていくために必要な準備」に加え、「現在の仕事の能力・スキル向上」「新しい仕事の能力・スキル獲得」「資格」「社外の人的ネットワーク」など、いわば「可能性の幅を拡げるための準備」も必要であるとの回答が集まった。

これらの傾向は「ドリーマー」や「サバイバー」がほかのグループを上回っており、現状準備が足りていないとする層でその必要性が感じられているようだ。

セカンドライフを迎える50代の準備 (出典:博報堂新しい大人文化研究所)

50代において、今後活性化する可能性が高い「3つの投資」

このような調査結果から同研究所は、セカンドライフを迎える50代において今後活性化する可能性が高い投資として、「ライフライン投資」「セルフプロジェクト投資」「絆投資」の3つを指摘する。

「ライフライン投資」とは、金融知識・健康知識など自分が生きるための投資を意味する。例えば、50代が金融知識を高めるための金融商品の購入などが活性化するとの見込みだという。また、高齢となった親が介護を必要とするケースも増加し、自分の生活を守りながら介護をするための知識獲得サポートや、施設への支払いなどもライフラインの投資として発生する可能性がある。

「セルフプロジェクト投資」は、「自分のしたいこと」を実現するための計画・実行においての知識や資格の獲得、人脈やコミュニティの拡大など、自分が自分らしく生きるための投資のこと。これらも拡大すると予測される。

最後に、共に長生きをするパートナーや家計を共にするパートナーの存在の必要性は、セカンドライフへの期待感の違いからも見てとれる。本格的なセカンドライフに入る前に、例えば旅行やギフトなど、絆を深めるための「絆投資」も大きくなる可能性があるという。