大日本印刷(DNP)は2月7日、クレジットカードなどの決済情報を活用して加盟店への送客を促すCLO(Card Linked Offer)サービスを、クレジットカード発行会社(カードイシュア)が導入できるクラウドサービス「DNP CLOサービス」を開発したと発表した。カード会員の利用機会を増加させて優良顧客化する施策の実施や、加盟店向けのサービスを拡充したいカード発行会社に向けて、今春にサービスを開始する。

現在、米国を中心に広がっているCLOサービスは会員が事前にWebサイトなどでキャンペーンに申し込み、実際にカードを利用した時に、その決済情報と連動して自動的に特典が会員に付与されるサービス。購買実績を正確に把握可能なほか、加盟店店頭での新たなオペレーションも不要だという。

「DNP CLOサービス」の概要

DNP CLOサービスの特徴は「さまざまなバリエーションのキャンペーンに対応」「CLOの成果最大化に向けた豊富なオプションサービス」の2点。

さまざまなバリエーションのキャンペーンに対応に関しては、従来のCLOサービスでは1回限りのクーポンを配布するのが一般的だが、DNPはキャンペーンの参加条件・当選方法・インセンティブ種類などの条件の組み合わせにより、多種多様なバリエーションのキャンペーンに対応できる機能を標準装備している。

また、キャンペーンの実施日やエントリー数、インセンティブの還元金額などで、キャンペーン参加資格の制限を設定することも可能。これらの機能により、費用対効果を確かめつつ、インパクトのあるキャンペーンを計画しやすくなるとしている。

CLOの成果最大化に向けた豊富なオプションサービスについては、会員がカード発行会社のWebサイトなどの自社メディア以外でもCLOキャンペーンに参加できる「ゲートウェイサービス」、会員属性や利用傾向のデータ分析から戦略的に自社カードの利用を促進させる「One to Oneターゲティング」、キャンペーン設計から登録、運用までをアウトソーシングできる「BPO(Business Process Outsourcing)サービス」など、効果を高めるためのオプションを用意している。

現在、DNPはCLO関連サービスとして、2016年3月から流通・小売業が発行するカード会員にPOSデータとの連携で商品単位に特典を付与するキャンペーンが実行できる「スマートキャンペーン」を日本ユニシスと共同で展開している。

今後は開発したカード発行会社向けのCLOサービスも活用し、多様化する決済手段やマーケティング手法を組み合わせて、企業や生活者の課題解決や利便性の向上を目指す。同社では、CLO関連で周辺事業も含めて2020年に10億円の売り上げを計画している。