日本の教育番組はどう?

日本人であれば、教育番組を見て育ったという人は多いだろう。大人でも語学学習などのために多くの人が活用しているチャンネルだ。そのように、私たちには非常に馴染み深く、当たり前のように存在している教育番組だが、海外の人たちはどのように感じているのだろうか。母国の教育番組事情との違いも含め、日本在住の外国人20人に聞いてみた。

とてもいい&母国も同じ

・「語学番組しか見ていませんがとっても面白いです。ブラジルも大体一緒です」(ブラジル/20代後半/男性)

・「日本の教育テレビは内容が豊富でとてもいいです。モンゴルの教育テレビも日本に負けないぐらいとても充実しています」(モンゴル/30代前半/男性)

とてもいい&母国のものよりいい

・「すごくいいと思います。インドでは政治的・バラエティー的なものが多いので、日本の教育テレビはいいと思います」(インド/40代前半/男性)

・「教育番組はレベルが高いと思います。フランスもいい番組がありますが、とても少ないです。海外の番組を買い、吹き替えで放送するのが多いです」(フランス/30代前半/男性)

・「番組のバリエーションが豊富で、視聴者のことを考えている。教育的。パラグアイの番組は、だらだら長ったらしく、内容もつまらない」(パラグアイ/30代前半/女性)

・「とてもいいと思います。インドネシアでは子ども向けの番組が非常に少ないです」(インドネシア/40代前半/女性)

・「フィリピンと比べると日本の方が面白いと思います。日本のプレゼンの仕方(物語方式)は分かりやすいです。母国の教育テレビは小学生向けか、または家畜に関する番組です」(フィリピン/40代前半/女性)

とてもいい&母国にはない・見る人がいない

・「日本の教育番組は、いろんな視聴者の側に立っていて、非常に多様な番組が放送され大変便利だと思います。ウクライナには似たようなチャンネルは残念ながらありません」(ウクライナ/30代前半/男性)

・「いいですね。タイではあんまり見る人がいないと思います」(タイ/30代前半/男性)

・「素晴らしい」(ベトナム/20代後半/男性)

番組が少ない・つまらない

・「日本の地上波中にある教育番組が少ないと思います。中国も同じだと思います」(中国/30代半ば/男性)

・「日本の教育テレビはつまらないと思います。香港の教育テレビは面白いアニメが多いです」(香港/20代後半/女性)

・「日本の教育テレビは少ししか見たことがないんですが、あまり面白くないように感じました。語学番組は実用性があるかもしれませんが、私にとってはレベルがまだ低いです。ルーマニアには教育テレビはありません。文化テレビというものはありましたが、2012年に放送中止になりました」(ルーマニア/30代前半/女性)

ド派手で登場人物が微妙に怖い

・「番組中に出てくる色が派手で、登場人物も微妙に怖い。自分の子どもには見せないようにしている」(ハンガリー/30代前半/女性)

教育テレビを見たことがない

・「教育テレビを見たことがありません」(韓国/20代前半/男性)

・「見たことがないから分からないけど、台湾では日本の教育向けのアニメもよく放送されている」(台湾/20代後半/女性)

・「見たことがない。母国でも学生用の番組がある」(ロシア/20代半ば/女性)

・「日本の教育テレビをあまり見ていないですが、見た時、スペインと同じくコンテンツがシンプルで、子供が見たら面白いです。自分は大人なので日本でも母国でもそんな番組はつまらないと思います」(スペイン/30代前半/女性)

・「テレビはあまり見ないです」(アメリカ/30代前半/女性)

そのほか

・「イタリアと同じく、午前中に子どもが親と一緒に見る番組があります。教育に専念する放送局があるのも同じです」(イタリア/30代前半/男性)

総評

今回のアンケートでは、日本の教育番組を「いい」と回答した人は20人中10人だった。その中には、多様な視聴者に向けての番組があることを評価している人もいたようだ。また、「母国に同様の番組がある」(「少ないがある」も含む)と答えた人は13人、「ない」と答えた人は2人だった。20人という少数のアンケートではあるが、テレビ番組を教育に活用している国は意外と多いようだ。

教育番組というのは、子どもを含む自国の人たちに「こんな考え方を持っていてほしい」「これを知っていてほしい」と思うところから制作されているのではないかと思う。フィリピンやインドの方の回答にあった、「家畜に関する番組」や「政治的な番組」が思い浮かぶ点は、なかなか興味深いのではないだろうか。教育番組もまた、客観的に見てみると別の面が見えてくるのかもしれない。

調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20人
調査方法: インターネット応募式アンケート

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