IoT推進コンソーシアム、総務省、経済産業省は31日、カメラによる静止画や動画など、IoTの広がりとともに増加する画像データの利活用におけるガイドブック「カメラ画像利活用ガイドブック」ver1.0を公開した。

IoT(Internet of Things)というキーワードに代表されるデジタル機器とインターネットの繋がりは世界各地で進んでいる一方、データ活用にはプライバシーの保護が必要になる。「カメラ画像利活用ガイドブック」は、IoT推進コンソーシアム内に設置された専門家によるデータ流通促進ワーキンググループが中心となり、実際のデータ運用における注意点をまとめたものになる。

「カメラ画像利活用ガイドブック」(51ページ/経済産業省Webサイトで公開されたPDF)

ガイドブックは、「個人情報保護法等関係法令を遵守し、かつ、個人を特定する目的以外の目的でのカメラ画像の利活用を検討する事業者」に活用されることを前提に策定しており、その範囲は個人情報保護法の範囲よりも大きくプライバシー保護の観点で考慮すべき範囲が対象となる。

あくまでガイドブックであり事業者に強制するものではないが、技術革新が速く、また未知の領域も多い分野。検討中の課題もあり、事業者がいかにプライバシーを守っていくために準備すべきか?の土台になる。"事業者の業界や業態に応じた利活用ルール設定が期待される"と冒頭に記されている。

カメラにおける個人情報とそれ以外の範囲はどこだろう?被写体の顔の画像が個人を識別できるものであれば、個人情報保護法の"個人情報"に該当し、インデックスを付与して検索可能な状態で保管することは"個人情報データベース"に該当する。これらは個人情報保護法の範囲であるが、画像データから推定される性別・年代などの情報は個人情報ではない。

一方、取得画像から人物の位置関係の特徴を抽出したデータは、画像データそのものでなくても特定が可能な「特徴量データ」を持つため個人情報にあたる。ガイドブックでは、これら範囲の識別からはじまり、実際のケースを撮影場所や目的で区分するなど詳細に分類。小売事業者が自社Web上や店舗入口で掲載すべき文言や連絡先などの雛形も数多く掲載してある。

IoT推進コンソーシアムは、総務省、経済産業省や関係省庁支援のもと、IoTやビックデータ、AIなどの技術革新を推進するために設立。産学官が連携し、新たなビジネスモデルの創出推進のための枠組みの構築、規制改革の提言が目的として掲げられている。