帝国データバンクは1月19日、「個人消費活性化に対する企業の意識調査」の結果を発表した。調査は2016年12月15日~2017年1月5日、有効回答企業数は1万33社。

「現在の個人消費の動向」

現在の個人消費動向についてどのように感じているか尋ねたところ、「悪い」(「非常に悪い」「悪い」「やや悪い」の合計)と回答した企業が51.9%となり半数を超えた。業界別に「悪い」の割合をみると、「小売」が64.5%で最も高く、唯一6割を超えた。次いで「卸売」(56.3%)、「農・林・水産」(53.2%)、「運輸・倉庫」(52.7%)、「製造」(51.9%)と続く。

これまでに実施された消費活性化策のうち、どのような政策で効果があったと思うか尋ねたところ、「所得税減税」が 43.9%で最高となった。次いで、「エコカー減税・補助金」が4割を超えたほか、「住宅ローン減税」が3割超となるなど、減税にともなう消費者の負担軽減策が上位にあがった。さらに、「エコポイント制度(住宅エコポイントや家電エコポイント)」「プレミアム付商品券」など、消費を行うことで付加サービスが得られる政策が続いた。

「過去の消費活性化策で効果があったと思う政策」

個人消費が活性化するために必要な条件はどのようなことだと思うか尋ねたところ、「賃金の増加」が74.3%で突出して高かった。以下、「将来不安の払拭(年金など)」と「個人所得税の減税」が4割台で続き、「企業業績の改善」が3割台となった。また、「消費税率の引き下げ」も23.8%となり、4社に1社が個人消費活性化には消費税率引き下げも必要だと考えていることが分かった。

「個人消費活性化に必要な条件」

今後、個人消費が本格的に回復する時期について尋ねたところ、「長期的に回復する見込みはない」が28.8%と、個人消費の動向に悲観的な企業が3割近くに達した。また、「3年後以降」(12.8%)と「2年後」(13.3%)を合わせると26.1%となり、4社に1社は2年以上先になると見込んでいる。さらに、「すでに回復している」(2.0%)や「1年後」(7.6%)など、短期での回復を見込む企業は1割に満たない。しかし、「分からない」も 35.4%と多く、企業にとっても個人消費の先行きを想定することが難しいという実態も見えてきた。