2017年の年頭にあたり、マカフィー(インテル セキュリティ)の代表取締役社長を務める山野修氏は、以下の年頭所感を発表した。

新年あけましておめでとうございます。

旧年中は、格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

昨年5月にマカフィーの代表取締役社長に就任し、これまで約20年にわたり慣れ親しんだセキュリティ業界に再び携われることに、大きな喜びを感じています。

2016年を振り返ってみると、企業や個人を問わず、ランサムウェアをはじめこれまでは予期しなかった新たな脅威が増加しました。そして今後も、クラウドやIoT(Internet of Things、モノのインターネット)の本格的な普及や、フィンテックなどの新興テクノロジーの登場により、生活環境や経済活動がますますデジタル化し、脅威の対象も大きく様変わりしていくものと考えています。マカフィーが昨年実施した調査でも、日本を狙う国際的ハッカー集団による攻撃、人気のモバイルゲームアプリを騙るマルウェア、そして拡大するランサムウェアの被害など、日本でもこれまでになかったような脅威が大きな関心を集めました。

そして、マカフィーでは、昨年一年間を通じて、脅威に対する防御、検知、復旧に加え、新しい脅威に対するプロセスの適応を可能にする"脅威対策のライフサイクル"を推進してまいりました。また昨年は、脅威データを連携するテクノロジーのオープン化や、セキュリティ業界を挙げた協業など、新時代のセキュリティを実現するための新たな取り組みを発表いたしました。

今年2017年には、昨年末に脅威予測でも紹介した通り、ITインフラへのさらなる脅威の増加、ランサムウェア攻撃の新展開、IoTに対する攻撃の拡大、そして機械学習によるサイバー攻撃の技術向上など、サイバー上の脅威が新たな局面を迎えることが予測されています。また、日本社会は現在、セキュリティ人材の不足や、ますます巧妙化・複雑化する脅威、さらにITだけでなくIoTや制御系システム(OT)向けのセキュリティなどの課題を抱えています。これらの課題に対し、マカフィーでは、本年も引き続き日本で脅威対策のライフサイクルを推進するとともに、セキュリティ運用の自動化や業界を横断する連携、そして機械学習などの最新技術を活用した製品やソリューションの提供を通じて、日本の顧客ならびにパートナー、さらには日本社会全体の安心・安全の向上に貢献できるよう取り組んでまいります。

今年春には、インテルから分社し、サイバーセキュリティの専業会社として業界最大規模の新生マカフィーが誕生します。"Together is Power"のコンセプトのもと、パートナーや業界各社と協力し、セキュリティ業界の成長に尽力してまいります。本年もより一層のご高配を賜りますよう、お願い申し上げます。