一昔前であれば、お正月のお節料理は一つひとつ手作りすることが常識だったかもしれない。しかし現代では、たくさんのおいしそうなお節がスーパーやデパートで販売されていて、手作りしなくても、お正月の料理が楽しめる時代になった。そこで今回は、小学生までの子どもをもつ女性のマイナビニュース会員300人に「お正月、お節は手作りしますか? 買いますか?」と聞いてみた。

Q.お正月、お節は手作りしますか? 買いますか?

Q.お正月、お節は手作りしますか? 買いますか?
「全部手作り」 13.7%
「購入するが、手作りのものも用意する」 50.7%
「全部購入」 35.7%

Q.その選択肢を選んだ理由を教えてください

■全部手作り

・「手作りした方が、周囲からの評価が高いからです」(21歳/滋賀県/官公庁/その他・専業主婦等/会社員・公務員・団体職員)
・「お節といっても簡単なものばかりですし、一度だけ、有名デパートのお節を購入しましたが、おいしくなかったので」(47歳/鹿児島県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「亡くなった親はずっと手作りしていたので、伝統として引き継いでいきたい」(41歳/大阪府/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「お節というより、お正月料理を何点か作るだけ」(34歳/北海道/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「食べたい物を、食べるだけ作る」(43歳/京都府/その他電気・電子関連/メカトロ関連技術職/会社員・公務員・団体職員)
・「わが家のお節は、お節というよりも豚の角煮だったり、煮豆も黒豆でなくうずら豆だったりと、家族が食べてくれるものを数品作るかたちを続けてきたから」(49歳/福島県/その他/その他・専業主婦等/フリーター)
・「手作りは手作りだが、義母の手作り。毎年、こちらの分まで作ってくれる」(54歳/兵庫県/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連/会社員・公務員・団体職員)

■購入するが、手作りのものも用意する

・「手間も金額もほどほどで用意できるから。作ることで正月気分になる」(38歳/埼玉県/農業協同組合/共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「普段がフルタイム勤務で、年末年始も休みがないため」(38歳/熊本県/百貨店/クリエイティブ関連/会社員・公務員・団体職員)
・「和と洋を作り、中華を購入」(40歳/神奈川県/その他/その他・専業主婦等/その他)
・「子どもと大人の好みが違うので、お節料理は無駄にすることが多い。手間暇をかけ捨てることになるのなら購入し、空いた時間を家事や掃除の時間にあてたい」(48歳/東京都/百貨店/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「全部作るのは大変だし、家族があまり好きでないもの、例えば田作りなどは少量でいいので、スーパーでできたものを買っていました」(64歳/滋賀県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「全ての作り方は知らないし、教えてもらってないから」(38歳/兵庫県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「お節はあまり準備しない。黒豆、きんとんくらいは作るが」(45歳/秋田県/その他/その他・専業主婦等/フリーター)
・「何かは作りたい。けれど、全部手作りはとてもできないので、2品ほど作っています」(37歳/茨城県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「手作りだと日持ちがしないため、市販の物も買います」(41歳/滋賀県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「毎年実家で作るものが決まっているが、家族が増えて量が足りないので、買い足す予定です」(40歳/静岡県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「年末年始は仕事のときもあるので、なかなか全部は手作りできない」(52歳/神奈川県/農業協同組合/事務・企画・経営関連/会社員・公務員・団体職員)

■全部購入

・「好き嫌いの好みもあるし手間なので、好きな物のみ買って食べる」(33歳/愛知県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「少しお金はかかりますが、いいものを食べさせたいので」(20歳/東京都/その他/その他・専業主婦等/求職中・無職)
・「作ったことがないし、作り方がよくわからない」(53歳/埼玉県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「お節は準備したことがない。ただ準備するなら、年末年始ゆっくり過ごしたいので、購入すると思う」(25歳/鹿児島県/官公庁/公共サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「年末自宅にいることがここ何年もないので、作る機会はないです」(35歳/東京都/コンビニエンスストア/販売・サービス関連/会社員・公務員・団体職員)
・「手作りだと手間がかかるし、お金もかかる」(45歳/栃木県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「仕事があり、時間がない。味付けなど、調理の仕方が難しい」(35歳/岡山県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「家族があまりお節自体食べないので、単品で食べたいものだけ買う」(44歳/徳島県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)
・「年始のあいさつに行く側なので、お節は軽く用意して、あとは伺った先で食べます」(33歳/千葉県/その他/その他・専業主婦等/その他)
・「子どもがお節を食べないので、お節を今年も予約しました」(42歳/神奈川県/その他/その他・専業主婦等/専業主婦)

総評
調査の結果、お正月のお節を「全部手作り」すると答えた人は13.7%、「全部購入」は35.7%、「購入するが、手作りのものも用意する」とした人は50.7%となった。

お節を「全部手作り」する人は、今や少数派となっている現実が明らかとなった。手作りする理由としては、「手作りの方が、好きなものが食べられる」「手作りの方がおいしい」「安上がり」などが多かった。また、愛情を込めたり、伝統の味を守ったりする意味でも手作りしている、という人もいた。

「全部購入」する人は、全体の3分の1以上を占めている。昨今ではデパートやスーパーのみならず、コンビニやファミレス、宅配、あるいは通販などでもお節料理を購入することが可能となっている。また洋風や中華風、数万円もする豪華版などバリエーションも豊かだ。

購入する理由としては、「時間がない」「面倒」「作れない」とする意見が目立った。また「全部手作り」が安上がりとする意見とは逆に、「全部購入」の方が安くつく、という声もあった。これは多品目を少量ずつ作るよりは、むしろ買ってしまった方が安く済む、ということだろうか。

「全部手作り」と「全部購入」の折衷としての「購入するが、手作りのものも用意する」は、半数を超える票を集め、最多となった。寄せられたコメントとしては「煮物は作る。きんとん、練り物は買う」「郷土料理の『煮しめ』などは手作りします」「家族に評判の良いものは楽しみにしてくれているので、がんばって作る」など、状況によって手作りと購入品をうまく使い分けている様子がうかがえる。

昔の人たちは、お節料理に縁起の良い食材を集め、豊作や家内安全、子孫繁栄などを願う意味を込めた。重箱に納めるのは、幸せを重ねるという意味もあるという。また料理自体は火を通したり干したり、あるいは酢に漬けたり味を濃くするなど日持ちする物が多く、これには、お正月に女性を日頃の家事から解放するためという説もあるようだ。

このような、お節料理の本来の意味や、その"ごちそう"感は、今や大きく変質しつつあるのかもしれない。特に今回のアンケートでは、そもそもお節料理は「作らない」、あるいは「食べない」という声が少なからず見られたことが印象的だった。

調査時期: 2016年10月31日~2016年11月26日
調査対象: マイナビニュース会員(小学生までの子どもをもつ女性)
調査数: 300人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません