いよいよ12月20日の最終回を残すのみとなったTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(以下、「逃げ恥」)。もう火曜日に「逃げ恥」を見ることができない「逃げ恥ロス」におびえている人も多いのではないだろうか。今回は、ドラマの主役である津崎平匡(星野源さん)と森山みくり(新垣結衣さん)が2人で暮らす部屋のインテリアに注目。どんなイメージで2人の住まいが作られたのか、美術協力をした大塚家具に話を聞いてみた。

大塚家具が美術協力をした「逃げ恥」津崎宅のリビング・ダイニング

男性一人暮らし、でも女性も居心地よい空間

今回、取材に応じてくれたのは、同社営業企画部の柴田千穂さんだ。

――よろしくお願いします。今回、「逃げ恥」で美術協力をされた箇所を教えてください
はい。大塚家具は、ドラマの中心舞台である津崎平匡の自宅インテリアの美術協力をしています。

――あの家で毎週いろんなことが起こるのでドキドキしています。全体のインテリアのイメージはどのようなものでしょうか?
壁の色や木材は"男の一人暮らし"というイメージですが、インテリアでは、あたたかみのある北欧テイストを取り入れています。女の子でも居心地よく過ごせ、帰りたくなるような雰囲気にこだわりました。

ダイニングのポイントは"あたたかさ"

――なるほど。確かに、同僚の風見涼太の部屋と比べると素材感のある家具が多いですね。もっと細かくお聞きしてもいいでしょうか。例えば、2人が食事をしたり話し合ったりすることが多いダイニングはどんなイメージでしょう
ダイニングも、男性の一人暮らしということを念頭に置きつつ、「あたたかさ」にポイントを置いてコーディネートしています。

ダイニングテーブルは「フィル」(天板7万9,920円+スチール脚3万2,940円)という商品で、天板に27mm厚の無垢材を使用したアイテムです。あたたかみのあるオーク材を使っているので、ナチュラルな雰囲気にピッタリなんです。

ダイニングテーブル「フィル」(天板7万9,920円+スチール脚3万2,940円)

ダイニングチェアは異なるデザインのチェアを組み合わせていますが、それぞれをシンプルなデザインにすることで、まとまりのある空間に仕上げました。新垣結衣さん演じるみくり側はテーブルと同じ「フィル」シリーズのチェア(2万8,620円)で、総無垢で作られた木の素材感と、背中のゆるやかなカーブが特徴です。つかみやすい背もたれなので、持ち運びもしやすいですね。

ダイニングチェア「フィル」(2万8,620円)

星野源さん演じる平匡が座るイスは、「DM-AK003」(9万9,900円)という商品で、曲木家具を作り続ける日本唯一の専門工房「秋田木工」のダイニングチェアです。片手で持てるほど軽いのですが、肘掛けと背が一体となった美しいフォルムが自慢です。

もう1脚のダイニングチェアは、「秋田木工」の職人が手掛けた曲木家具「DM-AK003」(9万9,900円)だ

テーブルは実はテレビボード!

――2人で過ごす空間は"あたたかさ"がポイントなのですね。リビングも2人で過ごすシーンが多い場所ですが、いかがでしょう
リビングは、テレビボードや収納など、落ち着きのある色調で統一しました。背板のない収納をダイニングとの間に設置し、圧迫感なく空間を仕切っています。

メインのソファは「CAS-D」(9万8,820円)という商品を使っています。軽やかでシンプルなデザインのソファで、カバーを自由に着せ替えできるタイプですね。コンパクトなサイズで脚元も軽やかなので、重くなりすぎず、居心地のよいリビングを演出しています。

ソファは「CAS-D」(9万8,820円)を使用

ソファとテーブルが置かれたリビング。このテーブル、実は……

――リビングテーブルも横長でコンパクトな印象ですね
これ、実はテレビボードなんです。

――テレビボードなんですか!? こうして見るとテーブルにしか見えないですね……
「アズユーアー」(9万6,660円)という商品で、ウォールナット材の天板とビーチ材の脚を組み合わせています。天板のウォールナット材は、樹皮に近い白太という部分をあえて使用し、自然の木目を生かして濃淡が混ざりあったような仕上がりになっています。

テレビボード「アズユーアー」(9万6,660円)は、リビングテーブルとして使用

確かにテレビボードではありますが、丸みがあってやさしい形ですし、テイストを選ばずにどんな空間でもマッチするようなアイテムですよ。リビングテーブルとしても十分使えます。

――全く違和感がないのでまだ驚いています。ちゃんとテレビを置いているテレビボードもありますよね
そうですね(笑)。テレビを置いている方は、ダイニングテーブルと同じ「フィル」シリーズのテレビボード(15万2,000円)です。北欧デザインからインスピレーションを受けており、木の風合いを生かしたアイテムです。こちらも、ぬくもりのある優しい雰囲気が魅力ですね。

寝室は男性らしくスッキリと

――では、津崎の作業場でもある寝室はどうでしょう? ダイニングやリビングに比べるとやや男っぽい雰囲気ですよね
そうですね。寝室は津崎のパーソナルな場所ですので、システムエンジニアという職業のイメージを生かしつつ、リビングの趣向に合う要素を取り入れて男性的な雰囲気にしています。

寝室は男性的な雰囲気を意識

――家具としては、どんなものを使用していますか
「シネマ」というベッドフレーム(7万4,520円)は、無垢のオーク材を使用しており、軽やかなデザインが特徴です。桐スノコ仕様なので、通気性もいいんですよ。ナチュラルテイストの寝室コーディネートに合わせやすいアイテムですね。

ベッドは無垢のオーク材を使用した「シネマ」(7万4,520円)

――デスクはどうでしょう
一人暮らしで、お仕事がシステムエンジニアという設定でしたので、シンプルで重厚すぎず、機能的なデスクをご提案しました。「ホリス」(4万9,400円)という商品になります。

――ありがとうございました。僕もすてきなインテリアをそろえて新垣結衣さんのような女性と暮らせるように頑張りたいです


北欧風のホッとするような空間に仕上がったリビング・ダイニングに、硬質でスッキリとした寝室。津崎とみくりが暮らす部屋は、オンとオフの切り替えがはっきりとしたインテリアのようだ。

ただし、外で働く津崎にとってのオン・オフの場と、従業員としての"妻"であるみくりのオン・オフの場は正反対とも言える。"夫婦"という関係性と向き合う同作だからこそ、こうした部屋になったのかもしれない。

ちなみに、今回紹介できなかった家具も含めて美術提供した主要なインテリアの合計金額を聞いたところ、ダイニング4点は35万7,380円、リビング6点は54万9,440円、寝室3点は15万7,620円だそうだ。3部屋の合計金額は106万4,440円。同じインテリアをそろえればドラマのような展開が待っているわけでは決してないが、ぜひ参考にしてほしい。

※価格は全て税込