STマイクロエレクトロニクス(ST)は12月16日、超低消費電流(標準値900nA)の小型オペアンプ「TSU111」を発表した。

TSU111は、一般的なキャパシタのリーク電流と同等レベルの非常に低い動作電流を特長とし、ボタン電池CR2032(220mAh)で25年以上動作する。また、同種の低消費電力オペアンプよりも低い入力オフセット電圧(150uV)と低いノイズ特性(0.1-10Hz、3.6μVp-p)を持つ。さらに、11.5kHzの利得帯域幅積(GBWP)とレール・ツー・レールの入力段により、環境情報や生体情報の信号モニタに利用できるほか、入力バイアス電流が非常に低い(10pA)ため、ガス検知器やフォト・ダイオードのようなセンサに生じる寄生電流を最小化する。

同製品は、一般的なロジック回路と同じ電源電圧範囲(1.5~5V)で動作するため、電源の設計と基板レイアウトを簡略化できる。また、最低動作電圧が低いため、バッテリ寿命が尽きるまで長時間にわたり機器を動作させることができ、太陽電池などのエナジー・ハーべスティング・システムで電源供給する機器にも簡単に使用可能だ。

TSU111は、DFN6(1.2 x 1.3mm)またはSC70-5(SOT323-5、2 x 2.1mm)パッケージで提供され、単価は1000個購入時に約0.69ドルとなっている。