共同印刷は15日、印刷紙面の文章レイアウトを分析し、より読みやすい紙面を提案する「組版サポートツール」を、東京女子大学の小田浩一教授との共同研究で開発したと発表した。

読みにくいと判断された文章に対する改善案が提示される

同ツールは、利用者の年代を考慮して、横書き文章のレイアウトの読みやすさを評価するもので、年代に合わせた"読みやすい印刷物"の作成をサポートする。

同社は、「印刷物に記載された文字が小さくて高齢者にとっては読みづらい」、「紙媒体になじんだ高齢者とスマートフォンの画面に慣れた若年者では読みやすいと感じる文章レイアウトは異なるのでは」という背景から、"利用者の年代を考慮した読みやすい文章レイアウト"を学術的根拠に基づいて実現するため、東京女子大学の小田研究室と共同研究を行った。その結果、若年者と高齢者では読みやすい行長・行間に違いがあることが明らかになったという。

同ツールでは、対象のPDFから文章を抽出し、行長・行間・文字サイズによる読みやすさを年代別に分析。読みにくいと判断された文章に対する改善案が提示できるため、ターゲット年代に合わせた"より読みやすい印刷物"の作成が可能となる。現在は、同社が小田研究室と共同開発した小さくても読みやすいUDフォント「小春良読体」を使用した文書のみ分析が可能だが、順次、他のフォントにも対応していく予定ということだ。