日本酒愛好家が始めた飲み比べバー

最後に紹介するのは、全国各地の地酒が味わえる「日本酒120種と世界の酒飲み放題の店 北のポン酒城」だ。2015年10月に「日本酒専門飲み比べBar 北のポン酒城」として開店し、1周年を迎えた今年10月にメニューをリニューアル。日本酒だけでなく、ウイスキーやラム、ウォッカなど、15カ国以上の世界の酒も飲み比べできるようになった。

日本酒120種類が並ぶ大型冷蔵庫。おちょこ3点とトレイを借りて、セルフで注いで飲み比べられる

飲食店経験ゼロだったオーナーの小戸田由香さんは、大好きな日本酒の良さを飲まず嫌いの人にも伝えたいと、2012年に明朗会計で年中無休の店「日本酒Bar にゃごりん」をオープン。そして、日本酒をより深く知るには何種類も飲んでみることが大切だと考え、飲み比べ専門バーの開設を思い付いたという。

貯金を注ぎ込み、クラウドファンディングも利用してこの2号店を構えたが、経営面はまだまだ悪戦苦闘中だとか。それでも蔵元の熱い思いを預かる気持ちで、1人でも多くの飲み手を育てようと奮闘している。日本酒ファンには、ビールの消費が多い北海道で頑張る「最北の日本酒の城塞」と呼ばれるそうだ。

一口ずつから味わえる全国の日本酒

店のコンセプトは、利用客1人ひとりが自分の好みをしっかり探りながら、先入観にとらわれずに日本酒の味わいを楽しめる環境を作ること。日本酒は銘柄を随時入れ替えながら120種類を用意し、利用客が自由に手に取ってセルフで注ぐスタイルを採用している。

注文は1杯ごとの会計ではなく、3コースのプランからチョイスする形式だ。基本の「スタンダードプラン」(2,160円)は、日本酒とソフトドリンクが1時間飲み放題。2時間コースの「グローバルプラン」(3,240円)は、日本酒とソフトドリンクに加え、生ビールと世界各国の酒も飲み放題となる。軽く飲みたい時や、一度にたくさん飲めない人には、日本酒3杯をチョイスし、1時間滞在できる「ちょい飲みプラン」(1,080円)がオススメだ。

テーブルは40席、カウンターは20席。フードやおつまみの持ち込みもOK

基本の15種類を自分の好みの基準に

日本酒120種の中でまず注目してほしいのは、オーナーが自分の好みを知る指標として厳選した基本の15種類。「フルーティで甘い」「雑味がない」「樽香がする」「低アルコール」「辛い」といったキーワードを参考に、それぞれの特徴を実感できる酒を試すことができる。

また、壁には「甘口-辛口」を縦軸、「スッキリ-濃厚」を横軸にとって提供中の銘柄の特徴を示したグラフや、酒蔵の都道府県別リストが張り出されており、気になる地域の地酒も探しやすい。酒瓶はスマホなどで撮影OKなので、気に入った銘柄を記録しておいて、買い物や飲み歩きの参考にするのもいいだろう。

パーティルームは12席。6人から3,600円または4,200円のコース料理も注文できる(要予約)

●information
日本酒120種と世界の酒飲み放題の店 北のポン酒城
住所: 北海道札幌市中央区南一条西5丁目 KAGA1・5ビル5F
営業時間: 17:00~23:00
定休日: 月曜日(祝日の場合は営業し、翌火曜日に休み)


オススメを週替わりでグラス売りするワイン専門店、飲み比べセットがあるクラフトビール輸入会社直営ショップ、そして飲み比べがメインの日本酒バー。札幌の夜、それぞれの店で自分のお気に入りをじっくり探してみてはいかがだろうか。

※記事中の情報・価格は2016年11月時点のもの。価格は全て税込