PTCジャパンは11月22日、ソフトウェア開発事業部門であるKepware Technologiesが、産業接続プラットフォーム「KEPServerEX Version 6」をリリースしたと発表した。

例えば、工場における各生産設備の稼働状況を把握するシステムを構築する場合、設備によってメーカーが異なることや、ファームウェアのアップデート時に各設備ごとに接続性の検証が求められることが課題となる。

KEPServerEXは設備の接続性を担保し、収集したデータを効率的に活用するためのプラットフォームで、OPCやITの通信プロトコルを利用して、産業オートメーションデータをさまざまなエンタープライズアプリケーションに一元的に供給する。また、150以上のデバイスドライバー、クライアントドライバーなどのライブラリを有し、数千におよぶデバイスやデータソースとの接続を実現する。ダッシュボードの構築など、PTCのIoTプラットフォーム「ThingWorx」と連携したデータ活用に強みを発揮する。

複雑で多様なコミュニケーションを統合する(提供:PTCジャパン)

最新のVersion 6で実施された機能強化は以下の通り。

  • 構築APIを介したプログラム変更: 新たなRESTベースのAPIにより、オフサイト環境でもサードパーティ製クライアントアプリケーションからプログラムの設定を変更できる。これにより、複数のKEPServerEXの設定を自社のソフトウェアから簡単に変更可能。
  • 日本語、ドイツ語対応: 中心機能と主要ドライバーが日本語とドイツ語に対応。
  • OPC UA技術のネイティブ化: OPC UA技術のネイティブ開発により、パフォーマンスの向上、診断性の改善、OPC UA機能の継続的な改善のための基盤を提供。
  • ライセンス管理の効率化: KEPServerEX、ライセンスユーティリティ、My Kepwareの更新によって、ライセンス管理を簡略化。サーバーの展開、管理、更新のためのツールも提供する。
  • ユーザーインタフェース(UI)の改善: UIの改善により、プロジェクトのセットアップと展開を効率化。また、安全なユーザー体験の推進、生産性の向上、アクセス性の改善も実現されるとしている。
  • セキュリティ強化: コアサーバを補完するコンポーネントとして提供されるSecurity Policiesアドバンスプラグインにより、ロール(役割・職種)に基づき、各オブジェクトにアクセス権を割り当てることが可能。

Version 6の画面

ThingWorxではドラッグ&ドロップでダッシュボードを構築可能

収集したデータを可視化した例

PTCジャパンでは、KEPServerEXを単体製品として既存のKepware代理店を通じて販売するほか、ThingWorxパッケージのオプションとしてKepware Manufacturing Suiteを設定し、近年注目を集めているスマートファクトリーに取り組む企業に向けて展開する。Kepware Manufacturing SuiteはPTCジャパンの直販および既存・新規のThingWorxパートナーを通じて販売する。