ブラッシングの最中は、口の中をイメージしたイラストが画面に表示され、それをガイドに磨いていく。ポジション検知機能で磨いているときは、4分割または6分割(任意で設定可能)された円が、磨いたエリアごとに青から白に変わっていく。ジーニアス9000の動きに付随して、口の中で磨いた箇所の追跡ができるので、磨き足りない場所や磨き残し、磨き過ぎが防げるなど、これまで感覚的だった歯磨きが視覚化されて上手になる。

口の中をイメージした円をガイドに、電動歯ブラシを動かしていく。ブラシを当てた箇所は青色から徐々に色が薄くなっていく

ポジション検知機能を利用したもう1つのメニューの「ブラッシングチャレンジ」。ブラッシングの状況を採点。毎回高得点を目指し、ゲーム感覚でブラッシング技術の向上を図るメニューだ

ジーニアス9000には、スマートフォンを洗面所の鏡などに固定しておくための吸盤式ホルダーが付属している。はじめは「気の利いたものを用意しているな」ぐらいの印象だったが、実はこれはポジション検知機能には不可欠なアイテムだと、使ってみて実感した。

付属のスマートフォンホルダー。吸盤式で鏡に取り付けられる。ロック構造でしっかりとくっつくため、スマートフォンの重さで落ちてくるということはまずなさそう

スマートフォンを直接ホールディングするアーム部分は、バネ式で伸び縮み。スマートフォンのサイズにフィットして取り付け可能

ブラッシングの最中は、片手が歯ブラシでふさがってしまう。スマートフォンは反対側の手に持つか、平置き、またはスタンドに立てる必要があるのだが、スマートフォンのカメラを使用する以上、固定は必須。スマートフォンのカメラには、一度認識した顔を追従し続けるコンテュニアスAFのような機能が基本的にないため、ちょっとでも画面の枠から顔が外れるとセッションが途切れてしまうのだ。スマートフォンを適切な位置と高さで固定するために、このホルダーはなくてはならないアイテムなのだ。

とはいえ、ホルダーを用いて鏡の前にスマートフォンを固定していても、歯磨きの中はどうしても人間の身体が動くもの。実際に使っていて、歯磨き中の姿勢によって意外とすぐに顔認識を見失う。毎日続けるうちに、「スマートフォンに対してどの位置に、どれくらいの距離を保って立てばよいのか」というコツがつかめてくるが、慣れるまでに少々時間が必要だと感じた。

アプリでは過去のブラッシング記録を見ることが可能。毎回のセッションや、1日、週、月ごとのブラッシング時間の平均、合計時間、ブラッシング圧などを細かくチェックできる。ブラッシング技術の上達度がわかるので、歯磨きのモチベーションも上がる

ブラッシングの推奨時間は2分だ。途中でセッションが切れたり、正しい歯磨き位置を検出できていなかったりすると、同じところを長く磨くなど思うようにブラッシングを進められず、時間がかかることも。筆者の場合、試用期間中のブラッシング平均時間は4分程度だった。慣れるまでは、「タイマー機能」で時間を優先、そして寝る前など時間のあるときにはポジション検知を利用するといったように、少し工夫して使うとよいだろう。

歯磨き中や後には、ブラッシングのアドバイスも表示される

タイマーの設定時間や種類、電動歯ブラシ本体の設定など、かなり細かくカスタマイズできる。スマートフォンと連携するならではの利点だ