IDC Japanは11月10日、国内x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場予測を発表した。それによると、国内x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場(外付型と内蔵型の合計)の支出額は、2020年に1,295億1,600万円になるという。

同社は、国内エンタープライズストレージシステム市場(外付型と内蔵型の合計)の2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)の予測が0.5%であるのに対し、国内x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場の2015年~2020年のCAGRは7.4%と高い成長になると予測。

その結果、国内エンタープライズストレージシステム市場におけるx86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステムの支出額の比率は、2020年には48.5%に上昇すると予測しているという。

国内x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場 支出額予測(出典:IDC Japan)

仮想化環境におけるエンタープライズストレージシステムには、性能や容量のニーズに加え、データ保護や可用性といった機能面でのニーズが高まり、仮想化環境の大規模化や複雑化によって、ストレージ運用管理の効率化ニーズも顕在化するという。そのため、今後のx86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステム市場においては、こうしたニーズに対応できるエンタープライズストレージシステムが成長の中心となり、オールフラッシュアレイやハイブリッドアレイといったフラッシュストレージ、仮想化環境に特化したエンタープライズストレージシステムの導入が進むほか、コンバージドシステムやハイパーコンバージドシステムで仮想化環境向けITインフラストラクチャ全般の刷新を行うケースが増加すると同社が予測する。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストの宝出幸久氏は「仮想化の進展に伴いx86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステムは成長を継続している。x86仮想化環境向けエンタープライズストレージシステムは、今後の国内エンタープライズストレージシステム市場における主戦場であり、ITサプライヤーが注力すべきセグメントである。ITサプライヤーは、仮想化環境にフォーカスした機能強化の継続によって差別化を図り、仮想化環境における運用管理課題の解決を実現するソリューションを提供すべきである」と述べている。