【MLB】「ダルビッシュですら進化が必要」速球勝負が2016年の投球パターン…

手術明け、球威が増し速球系が増えたダルビッシュ
 自身4年ぶりとなるポストシーズンでの登板で、ダルビッシュは公式戦も含め自己ワースト4本塁打を献上した。そして、打たれた4本全てが速球だった。速球を狙い打たれたのか? たまたま打たれた球種が速球だったのか? セイバー系サイト『ファングラフズ』は、ダルビッシュの投球内容を分析した上で、「ダルビッシュですら進化を必要とする」と評した。

 10月7日のアリーグ地区シリーズ第2戦に先発したダルビッシュは、ブルージェイズ打線の本塁打攻勢で5点を失い5回で降板した。打たれた4発全て速球だったのは、一見芸がないようにも見える。

 しかし、記事で紹介されているデータを参照すると、速球重視こそトミー・ジョン出術から復活し、幾度となく奪三振ショーを展開したダルビッシュの今季の投球パターンであることがわかる。

球種割合
 14年 速球65.3%、スライダー25.5%、カーブ7.4%、チェンジアップ4.6%
 16年 速球69.3%、スライダー20.8%、カーブ6.0%、チェンジアップ2.5%

 手術前の2014年と2016年の球種構成を比較すると明らかに速球比率が上がっている。
 そして、速球の中心となるフォーシームの平均速度も92.4マイルから93.3マイルに向上しているようだ。これは、術後のリハビリとその間に取り組んだ肉体改造の成果だろう。

 ただし、速球の中でのミックスも変化している。フォーシームとカッター(カットファストボール) の比率が低下し、その分ツーシームを多用しているのだ。

 14年 直球38.5%、ツーシーム12.7%、カットボール14.1%
 16年 直球40.4%、ツーシーム18.6%、カットボール10.3%

 ツーシームの多用は特に初球において顕著だという。また、ダルビッシュと言えば、鋭いスライダーで知られている。記事では、彼のスライダーの横の変化幅はメジャートップであるとのデータも掲載されている。




追い込んでからは速球系で勝負
 今季のダルビッシュは、初球ツーシーム&2球目スライダーと横の揺さぶりから入っているケースが多いという。一方で、ツーストライク後はフォーシームで勝負をかけることが多いことも紹介されている(2014年は27%で、2016年は42%)。

Basically, after getting hitters more accustomed to horizontal movement on his sinker and slider, Darvish is going to the vertical, 94-mph fastball to finish them off this year.
基本的には、シンカー(ここではツーシームのことを指す)とスライダーで打者に横の変化に慣れさせておき、ダルビッシュは94マイルの縦の変化(ここでは、伸び上がることを指す)で打ち取るのだ。

 彼のフォーシームは、NPB出身者らしく打者の手元でグンと伸びるもので、その浮き上がり度はメジャーナンバーワンだ(このことも計測データで紹介されている)。
「横の変化で揺さぶり、高低差で仕留める」(Rock ’em side to side and then finish ’em up and down)、これが2016年度版のダルビッシュ投球パターンなのだ。

 術後のリハビリや故障者リスト入りもあったため、レギュラーシーズンでは100.1回しか投げていない。しかし、今季100投球回以上の全投手の中で、奪三振率11.84は第2位だ。そして与四球率2.78は自己ベストだった。

出典:“Even Yu Darvish makes adjustment ”@ fangraphs by Eno Sarris in Oct. 7th 2016