2017年に60周年を迎える眺望スポット

北国の青空を背景に立つ赤いタワー。夜はライトアップとLEDで華やかに演出される

最後に紹介するのは、大通公園のシンボル「さっぽろテレビ塔」だ。東京タワーより1年早い1957(昭和32)年に完成し、高さは147.2m。地上90.38mの展望台から札幌市内を360°見渡せ、四季折々の街並みの美しさを満喫できる。展望台入場料は大人720円で、東京スカイツリーの約3分の1とお手頃。さらに2017年8月の開業60周年を前に、記念イベント「テレビ塔からの60の挑戦状」を実施中だ。HPで公開中の条件をクリアすると、入場料が10%オフから無料になるので、気軽に上ってみよう。

展望台までは、3階からエレベーターに乗って約60秒。タワーの足下から大通公園が真っすぐに西へ伸び、公園の噴水や花壇、公園でくつろぐ人々の姿まではっきり見える。碁盤の目のように整然とした街並みの向こうには、なだらかな山並みが広がり、札幌は自然に恵まれた土地だということが実感できる。

南東側の一部の窓は床まで一枚ガラスとなっており、しかも外側に傾いている。窓枠の手すりにつかまって下を見下ろすと、窓の外の景色に吸い込まれそうで、一瞬顔から血が引く。この窓のネーミングは「怖窓(こわそ~)」だ。怖そうというより、むしろ100%怖いのだが……。

展望台から西側を眺めると、大通公園を中心に広がる街並を一望できる

非公式キャラ「テレビ父さん」の神社で開運!?

さて、全国に知られるテレビ塔名物といえば、札幌のご当地キャラとして活躍中の「テレビ父さん」だ。ちょびひげと緑の腹巻き、のほほんとした表情は、一度見たら忘れられない。

展望台の「テレビ父さん神社」。家内安全、夫婦円満、恋愛成就などさまざまなご利益があるとか

テレビ塔公式キャラクター「タワッキー」の誕生直後に登場し、今でも非公式キャラクターなのだが、すっかり人気者になり、展望台には「テレビ父さん神社」まである。札幌市街で最も高い場所にある神社であり、実は風水師も認めるパワースポットだというウワサも。ちなみに、おみくじで「凶」を引いてしまった人には、非売品のお守りプレゼントの特典(?)があるそうだ。

展望台からエレベーターで3階に降りると、休憩スペース「テレビ父さんのほほんパーク」があり、テーブルや椅子、ごみ箱までテレビ父さんのデザインで埋め尽くされている。ゆるーい笑顔に囲まれていると、ためこんだ多少のイライラは消えてしまいそうだ。

洋食店やコーヒー専門店などに立ち寄り

そのほか、3階には小樽市の老舗洋食店が出店し、地下グルメコートにもラーメン店やそば処、自家焙煎のコーヒー専門店などが並んでいる。

また、展望台から昼の眺望と夜景を両方楽しみたい人のために、お得な「昼・夜チケット」も販売しているので、間に周辺の観光や買い物をはさんで、1日に2回来場するのもいいかもしれない。

●information
さっぽろテレビ塔
住所: 北海道札幌市中央区大通西1丁目
営業時間: 9:00~22:00(期間により異なる)
定休日: 不定休
展望台入場料: 大人720円、高校生600円、中学生400円、小学生300円、幼児(3歳以上)100円
※昼・夜チケット(1人2回利用可、発券から3日間有効)大人1,100円、高校生800円、中学生600円、小学生400円


記念撮影だけで満足してしまいがちなこれらの観光名所だが、中に入ってみると思いもよらない楽しみが待っている。前を通り過ぎるだけでなく、建物内の見物もぜひ旅行の日程として組み込んでほしい。

※記事中の情報・価格は2016年9月時点のもの。価格は全て税込