新iPhoneの発表を機に、ユーザー獲得の動きを活発化させる大手携帯電話会社。今年、最初に手を打ったのはソフトバンクだ。同社は月額6,000円で月間20GB利用できるデータ定額サービス「ギガモンスター」を発表した。スマホのヘビーユーザーにとっては魅力的なプランとなりそうだが、横並びが多い携帯会社のサービスにおいて、差別化要因となるだろうか。

「ギガモンスター」を9月13日から順次提供。当初は新規・機種変利用者を対象。

ギガモンスターとは

ギガモンスターは、ソフトバンクの基本料金プラン「スマ放題」「スマ放題ライト」で選べるデータ定額サービス。データ通信を毎月20GB利用できる「データ定額 20GB」(月額6,000円)と同30GB利用可能な「データ定額 30GB」(同8,000円)がある。毎月の請求額は、基本料金プランの利用額を足し合わせたものになり、たとえば、「スマ放題」「データ定額 20GB」の組み合わせで月額9,000円となる計算だ。

1,000円プラスでデータ利用量は4倍に

他社プランとの比較

トータルでは高額に見えるかもしれないが、「データ定額 5GB」は5,000円であり、わずか1,000円の上乗せで、データ利用量が4倍となる。スマートフォンで動画などを多く視聴するヘビーユーザーには革新的なプランに映りそうだ。

他社と料金を比較しても差は大きい。NTTドコモで20GBを契約すると毎月16,000円、auでは16,800円であり、圧倒的に安い料金で利用できる。

もちろん、ニーズがなければ何の意味もない。ソフトバンクによると、スマホ利用者の93%が5GB以下の契約とし、ユーザーは限られそうだが、65%の人がデータ通信量を気にしながらスマホを利用しているとし、潜在的なニーズは高そうだ。

たとえば、月間5GBまでだから、外出先で動画視聴はやめておこう、といった人たちは相当数いるだろう。こまめにWi-Fiのオン/オフを心がける必要もなくなり、データの利用制限というストレスから開放されるならば、1,000円の上積みも許容できるだろう。

実は容量を気にしながらスマホを使っている人が多数

また、動画投稿、ライブ中継、さらにはVRコンテンツなど、データ使用量は爆発的に増加していく傾向にあり、この先のコンテンツニーズを考えても、こうした対策は評価できる。とはいえ、もう少し早くこうしたサービスを出してくれても良かったんじゃないかというのがユーザーの本音だろう。その点、同社は意図的にやらなかったのではなく、ネットワークの強化が必要だったと説明する。