アクロニス・ジャパンは9月7日、都内で記者会見を開き、企業が保有するIT環境下のデータをバックアップ、復元するデータ保護ソリューションの新バージョン「Acronis Backup 12」を発表した。

アクロニス・ジャパン 代表取締役の大岩憲三氏

冒頭、アクロニス・ジャパン 代表取締役の大岩憲三氏は「Acronis Backupのメジャーバージョンアップは4年ぶりとなり、クラウドへの対応を強化したことに加え、増加傾向にあるランサムウェアにも対応し、一元的かつシンプルなUIで管理するソリューションだ」と説明した。

最新版は、データがクラウド、オンプレミス、仮想システムと物理システム間、リモートシステム、そしてモバイルデバイスなど保管場所に依存することなく、ハイブリッドクラウドIT環境で企業データを保護。さらに、操作しやすいWebベースの一元管理コンソールにより、物理マシン、仮想マシン、クラウド上のシステムをローカルまたはリモートで管理。バックアップ計画を1つ、または複数のマシンに割り当ててステータス更新を確認し、アラートを受信するといった管理操作を1つの画面で実行できる。

アクロニス・ジャパン セールスエンジニア マネージャの佐藤匡史氏

最新版の説明を行ったアクロニス・ジャパン セールスエンジニア マネージャの佐藤匡史氏は「近年、ビジネス環境で求められているのは確実な企業のデータ保護、簡単な一元管理、高速なバックアップと復元、安心で信頼性の高いテクノロジーとなる。そのような状況をふまえ、われわれが最新版を開発するにあたり『簡単』『包括』『安全』『高速』『信頼』の5つの観点で新機能を加えたほか、機能強化を図った」と述べた。

今回、新機能として「Webコンソール」「オンプレ/クラウド集中管理」「Microsoft Azure/Amazon EC2への対応」「Acronis Instant Restore」「VMレプリケーション」「MacとiOS、Androidのエンドユーザー保護」を追加した。また「Acronis Universal Restore」と「仮想環境保護」の機能を強化した。

新機能、機能強化の一覧

Webコンソールは、あらゆるプラットフォームを一元管理するほか、オンプレミス/クラウド集中管理ではオンプレミスの管理サーバまたはアクロニクスのクラウド、いずれかの管理方法を選択可能とし、クラウドの場合は管理サーバが不要だという。

コンソール画面

また、Microsoft Azure/Amazon EC2への対応としてイメージバックアップ/ベアメタル復元と、ファイル単位のバックアップ/復元も可能。Acronis Instant Restoreについてはバックアップアーカイブから直接VMを起動し、VMの動作に必要なデータのみを展開することからRTO(Recovery Time Objective)を数分に短縮することができる(復元がいらない)としている。

「Acronis Instant Restore」の概要

VMレプリケーションに関しては、VMware to VMwareのレプリケーションやWebコンソールからレプリカのテスト起動、フェイルオーバー操作などが可能。MacとiOS、Androidのエンドユーザー保護ではMacのイメージバックアップ/ベアメタル復元/ファイル単位/ローカルストレージへの対応や、iOS/Androidの主要データバックアップもできる。

一方、機能強化したAcronis Universal Restoreは物理、仮想、クラウドの異なる環境への移行を可能(物理から物理など同様の環境も可能)とし、仮想環境保護についてはVMware vSphere/ Microsoft Hyper-Vのオンラインバックアップやベアメタル復元など仮想ホストサーバの保護や、vMFlashbackの変更ブロックのみの復元を可能としている。

「仮想環境保護」の概要

ライセンス形態は、サブスクリプションライセンス(1年版、2年版、3年版)と永続ライセンス(初年度のテクニカルサポートと無料アップグレードを含む従来型のソフトウェアライセンス)を用意。ライセンス版、オンライン版はともに販売を開始しており、パッケージ、メディアパックの受注開始は10月7日を予定している。

Windows PC、Macなどマシン単位の「Acronis Backup Workstation License」は1年版が4200円、永続が9600円、Windows/Linuxサーバ、Amazon EC2 インスタンス、Azure VM、アプリケーションといったOS単位の「Acronis Backup Server License」は1年版が5万8700円、永続が11万7600円。

さらに、VMware、Hyper-V、アプリケーションのホスト単位の「Acronis Backup Virtual Host License」は1年版が5万9900円、永続が12万円、Windows Server Essentials(SBS)を対象とする「Acronis Backup Windows Server Essentials Licens」は1年版が2万9300円、永続が5万8800円。