日本人は水を使いすぎ?

「水道の蛇口はこまめにしめて」という言葉は、幼いころから誰もが言われてきたことだろう。多くの人には「水を大切に使おう」という思いがあるに違いない。しかし、私たちが考える"適正な水の使用量"は、世界から見るとどの程度のものなのだろうか。日本在住の外国人20人に、各国との違いも含めて聞いてみた。

Q.日本人の水の使い方についてどう思いますか?

使いすぎだと思う

・「中国と比べて使いすぎだと思う。例えば、レストランのバイトでの経験ですが、日本の場合、皿洗いの時に水をよくかけっぱなしする。野菜洗いと肉類の解凍などもそうです」(中国/30代中半/男性)

・「使いすぎだと思います。外国の事情を知るべきだと思います」(インド/40代前半/男性)

・「日本人は水の無駄遣いが激しい。パラグアイでは、お洗濯の水をそのまま捨てず、打ち水や床掃除等にしてから捨てる」(パラグアイ/30代前半/女性)

特に入浴で使いすぎだと思う

・「一般的に一緒だと思いますが、毎日お風呂につかる習慣は無駄にしか思えません。大量の水を湯船に入れて数分後に捨てるというのは、まるで1日に使う水量を数分で無駄にするイメージしかありません」(ブラジル/20代後半/男性)

・「自宅の水道の使い方に関してはあまり変わらないですが、考えてみれば温泉や銭湯が多くあるので、そこでは使いすぎかもしれません……。最近『水の節約』ってよく聞きますが、そういうところは相変わらず営業してますね」(イタリア/30代前半/男性)

・「日本はよく雨が降りますので、水不足の問題が無くて、日本人は水を使いすぎていると思います。マドリッド(スペイン)はあまり雨が降りませんので水不足の問題にもなる事があって、使い方に気をつけないといけません。お風呂に毎日入りますと水の無駄になりますので、母国では一般的にシャワーで、お風呂はたまにだけです」(スペイン/30代前半/女性)

・「使いすぎかと感じます。お風呂を毎日使うとこととか」(タイ/30代前半/男性)

・「よく分からないけど、もし毎晩シャワーではなくお風呂に入るとしたら、ちょっと水を使いすぎかもしれない」(台湾/20代後半/女性)

・「日本人は水を使いすぎると思います。特にお風呂や洗濯で使っている水の量は多いです。ルーマニアはお風呂に入る習慣がなく、シャワーで済ませているので、水はそんなに使いません。洗濯もなるべくまとめてやりますので、日本と比べると使っている水の量は少ないです」(ルーマニア/30代前半/女性)

・「シャワーは確かに長いです。アリゾナ州は砂漠なので、若いころから水を大切に使ってくださいというふうに言われています。シャンプーしている間に1回水を止めたり、10分以内で浴びたりします。今一緒に住んでいる彼氏が普通に30~40分のシャワーを浴びます」(アメリカ/30代前半/女性)

・「わが国にはシャワーしかありません。日本は冬になるとお風呂に入らないと体が温まらないので、ある意味で水は使いすぎかな。でもそれは仕方がありません」(フィリピン/40代前半/女性)

逆に「使わなすぎ」

・「使わなすぎ」(ベトナム/20代後半/男性)

・「使わなすぎと思う。ロシアでは、家族のみんなが1人ずつ同じお風呂に入るのはあり得ないことだ」(ロシア/20代中半/女性)

水を大切にしていると思う

・「日本人は水も電気も、常に省エネのことや地球温暖化のことを考えながら使っている印象を受けます。一方ウクライナでは、それほど大切にする人は多くないと思います」(ウクライナ/30代前半/男性)

・「日本人は水の使い方が上手だと思います。お風呂で使った後の水をトイレを流すために使うなどは、すごい節約の仕方だなと思います」(インドネシア/40代前半/女性)

その他

・「日本人、モンゴル人と別々に話をする必要が無いと思います。貧しい国の人たちが使わなすぎかもしれません。もちろん、水を大切に使うのはあたりまえですけれでも、どのぐらい使うのかはその人の気持ちと思います」(モンゴル/30代前半/男性)

総評

今回のアンケートの回答を見ると、日本人の代表的な習慣のひとつである「風呂」での水の使い方を無駄と感じている人が多いようだ。とはいえ、風呂は日本の風土の関係から、さまざまな利点があって登場したものでもあるのだろうし、残り湯を再利用するなど、上手に使えば必ずしも無駄とは言えないだろう。しかし、海外の反応にも一理ある。文字通り「湯水のように使う」とはならないようにしたいものだ。

ウクライナの回答者の「日本人は省エネや地球温暖化のことを考えながら使っている」という回答にもあるように、さらに「エコを考える日本」となりたいものだ。

調査時期: 2016年7月16日~2016年8月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート

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