農林水産省(農林水産政策研究所)は8月30日、食料品アクセス(買い物弱者等)問題に関する意識・意向調査の結果を発表した。

苦労を感じる理由1位は「店が遠い」

店に出向いて食料品の買い物をする頻度を尋ねると、「3~4日に1回」が45.5%で最多。次いで「2日に1回」が23.6%、「ほとんど毎日」が18.7%となった。

食料品の買い物で最もよく利用する交通手段(最もよく利用する店に行く場合)は、「自分が運転する自動車・バイク」が圧倒的に多く76.6%。店までの片道の所要時間は、「5分以上10分未満」が36.2%、「10分以上15分未満」が26.8%、「5分未満」が13.2%となった。

食料品の買い物について、「不便や苦労はあまりない」は56.1%、「不便や苦労は全くない」は16.8%。他方、「不便や苦労を感じることがある」は20.2%、「不便や苦労がある」は6.5%と、3割弱が不便や苦労がある・感じていることがわかった。

同研究所によると、以前実施した調査では食料品の買い物に不便や苦労がある、いわゆる買い物弱者の割合はもっと高かったという。これは、今回使用した農水省のモニターは若い年代や家族の割合が比較的多いためで、同研究所は「必ずしも日本全国の年齢階層や家族構成を反映したものではない」と話している。

不便や苦労がある・感じると答えた人にその詳細を聞くと、「店がもっと近くにあってほしい」が54.1%でトップ。以下、「買い物に行く時間的余裕がない」が48.4%、「食料品の値段が高い」が34.1%と続いた。同研究所は「高齢者で不便を感じている人が多く、『店まで遠い』『荷物が持てない』といった訴えが目立った。若い年代では店の品ぞろえの問題を指摘する声がみられた」と分析している。

食料品の買い物をする際に感じる不便や苦労(複数回答)(出典:農林水産省Webサイト)

不便や苦労をなくすために希望することは、「近くに新たな店ができること」が51.7%と最も多く、次いで「地元の商店をもりたてること」が31.6%、「宅配サービス・買い物代行の充実」が27.3%となった。

調査時期は2016年6月、有効回答は2,516人(生産者モニター1,579人、消費者モニター937人)。