イラスト : まずりん

鍼灸師・若林理砂さんが、あなたの近くにいそうなキャラたちの健康相談に答えるこの連載。第4回は、ラーメンをこよなく愛する営業マンです。

男性、40代、メーカー勤務(営業)。
肥満体、健康診断時に注意を受けがち。車通勤をしており運動の習慣はない。うまいラーメン屋探しが趣味。

本日の患者さんの悩み「とても疲れやすい」

「なんか、ちょっと動いただけですぐ疲れ……」

あ、だいたい原因わかったんですけど、言っていいですか。

「えっ、何でわかるの!? 先生、なんか超能力とかあるんすか?!」

違いますよ。あなた、BMIって把握してます? ああそう、BMI30。 それって、肥満と判定される数値だってわかってますか?

「ただオレがデブキャラってだけでしょ ?なんか問題あるんすか?それより、最近妙に息切れするし、腰も膝も痛くって夜の眠りも浅いんすよ。他に原因あるんじゃないっすか?」

うーん。そうか、肥満っていろんな不調の原因になることがあまりよくわかってらっしゃらないのですね。

肥満と不調の密接な関係

健康診断の結果も見せていただけますか、……肝機能に問題、ね。

これねえ、要するに脂肪肝ってこと。フォアグラになってますよ、あなたの肝臓。脂肪肝って肝硬変の原因になるって理解してますか?肝硬変ってね、一回なったらほぼ治らないんですよ。

高血圧と中性脂肪の高さも指摘されてますけど、高血圧は脳血管疾患の原因になるし、膝や腰の痛みは重すぎる体重を支えるために関節が悲鳴をあげている結果です。

眠りが浅いのは、腹回りについたお肉が内臓を圧迫して睡眠を妨げているのと、その顎の下の脂肪が気道を圧迫して呼吸を妨げているからです。

そもそも、単に体重が重すぎるというだけでも日常生活の負担は大きくなりますから、疲労感は倍増するんですよ。

食生活は肥満と直結する

「……太ってるだけでそんなに問題出るんすか。」

少し深刻さがわかってきましたか。でも、肥満って食事内容を見直せば大抵改善するんですよ。

好きな食べ物ってなんですか?ああ、ラーメン屋さん巡りが大好きなんですか。申し訳ないですが、それは諦めていただかないとならないですね。

「そ、そんなぁ、数少ない楽しみなのに……」

ラーメンって炭水化物と脂質と塩分だけでできているようなものなので、ごくたまに食べるのでしたらいいのですが、今みたいに営業の外回りで毎度お昼にラーメンをペロリ……という食べ方は大変困ります。まず、そこから改めてください。

食事のとり方の目安は、23センチ程度の丸い平皿の半分を野菜、四分の一を炭水化物、最後の四分の一をタンパク質と盛り付けるような割合で食べてください。

この考え方でいくと、ラーメンが全くダメであることがすぐわかると思います。炭水化物が半分以上を占めているでしょう?

ダイエットだから走る、はNG

食事を変えた上で、少しずつ動く量を増やさないとならないですね。毎日20分程度のウォーキングから始めましょう。

あ、ランニングなんか間違ってもしてはダメですよ!肥満体でランニングなんて始めたら、膝をあっという間に壊しますから。

「え、でもダイエットって言ったら走るもんじゃないんすか?」

運動で痩せはしないんです。運動でカロリーを消費するより、節食してカロリーセーブするほうがよほど簡単ですよ。基礎的な筋力をアップするために運動は必要ですけれど、まずは食事内容の改善から始めてくださいね。

あれば押したい「やせるツボ」

「先生、痩せるツボとかってないんですか……。」

はい、ありません。

東洋医学は、食事が満足に取れずに多くの人が死んでいた頃に発達した医学です。病気で食事がとれない人をなんとかして食べられるようにする方法はあっても、食欲を抑えて痩せさせる方法なんか、ないんですよ。

お大事に、養生してくださいね!