デンソーは8月1日、秋田県湯沢市が行う高齢世帯約80世帯を対象にした実証試験事業(湯沢市高齢者等生活支援システム実証試験業務)を受注し、情報通信技術(ICT)を活用した地域情報の配信システム「ライフビジョン」のサービス提供を開始した。

「ライフビジョン」の画面イメージ

ライフビジョンはインターネット回線とタブレット端末を利用したシステム。2014年に香川県直島町で導入し、本格運用を開始しており、今回は従来の地域情報の配信や防災情報の提供、資料の閲覧などの機能に加え、高齢者の支援機能として見守り機能、乗り合いタクシーの予約機能を新たに開発し、湯沢市が行う実証試験に参加する。

見守り機能では、一定期間、使用者がタブレット端末を操作しない状態が続くと、地域の民生委員や市の担当窓口に知らせることで、毎日訪問しなくても高齢者の安否確認ができる。

また、乗り合いタクシーの予約機能では、乗り合いタクシー運行事業者と連携し、専用の予約アプリを開発し、高齢者でも簡単にタブレット端末からタクシーを予約することが可能。

湯沢市では65歳以上の高齢者が35%を超え、高齢者のみの世帯が増加している。特に中心部から離れた集落では、高齢者の孤立、孤独化が問題となっている。これまで、民生委員やボランティアによる見守り事業を行ってきたが、今後の市民サービスの向上に向けて、実験的にライフビジョンを活用した見守り、および情報発信を行っていくという。