厚生労働省は7月26日、男女の均等な取り扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的とした「2015年度雇用均等基本調査」の結果を公表した。全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性の割合や育児休業制度の利用状況などについて、2015年10月1日現在の状況をまとめたもの。

これによると、2013年10月1日~2014年9月30日の1年間に在職中に出産した女性のうち、2015年10月1日までに育児休業を開始した人(育児休業の申し出をしている人を含む)の割合は81.5%と前回調査(前年度86.6%)より5.1ポイント低下した。

育児休業取得率の推移

同期間に配偶者が出産した男性のうち、育児休業を開始した人の割合は2.65%で、前回調査(同2.30%)より0.35ポイント上昇した。男性の育児休業取得者割合は、1996年度の初回調査以来、過去最高。

同期間、配偶者が出産した男性について世帯の状況をみると、専業主婦世帯の夫の割合は51.6%。そのうち育児休業を開始した人の割合は2.22%だった。

パパ・ママ育休プラス利用は女性1.9%、男性3.0%

両親がともに育児休業を取得する場合に、育児休業の対象となる子の年齢について「原則1歳まで」となるところを「原則1歳2カ月まで」に延長する制度「パパ・ママ育休プラス」利用者は、2014年4月1日~2015年3月31日の1年間に育児休業を終了した復職者のうち、女性1.9%、男性3.0%だった。

育休事情は?

なお、育児休業制度の規定がある事業所の割合は、事業所規模5人以上では73.1%(前年度74.7%)、事業所規模30人以上では91.9%(同94.7%)で、前年より低下した。

産業別にみると、複合サービス事業(100%)、電気・ガス・熱供給・水道業(95.3%)、金融業,保険業(93.6%)で規定がある事業所の割合が高い。規模別にみると、500人以上で100%、100~499人で98.4%、30~99人で90.2%、5~29人で69.2%と規模が大きくなるほど規定がある事業所割合は高くなっている。

育児休業制度の規定がある事業所において、子が何歳になるまで育児休業を取得できるかについてみると、「1歳6カ月(法定どおり)」が84.8%(前年度84.9%)と最多。次いで「2歳~3歳未満」が9.2%(同7.6%)、「1歳6カ月を超え2歳未満」が4.0%(同4.6%)の順だった。

育児休業中の労働者に会社や企業内共済会等から金銭を支給している事業所割合は15.2%(2012年度18.9%)であり、このうち「毎月金銭を支給する」は8.6%(同10.3%)、「一時金等を支給する」は 7.7%(同10.2%)となっている。

育児休業を取得した人の休業期間中の定期昇給の取り扱いについては、定期昇給の制度がある事業所のうち「定期昇給時期に昇給する」が23.6%(2012年度19.3%)、「休業期間中の定期昇給は行わずに復職後に時期をずらして昇給する」が16.7%(同19.4%)、「休業期間中の定期昇給は行わずに復職後の定期昇給時期に持ち越す」が27.7%(同29.2%)、「その他の取り扱いを決めている」が4.6%(同5.8%)、「特に決めていない」が 27.4%(同26.2%)。

復職後の職場・職種の取り扱いについては、「原則として原職または原職相当職に復帰する」が72.8%(2012年度73.1%)と最も高くなっており、「本人の希望を考慮し、会社が決定する」が21.2%(同19.6%)、「会社の人事管理等の都合により決定する」が5.9%(同6.8%)となっていた。