国土交通省大阪航空局は7月28日、福岡空港における過密解消と機能性強化を目指した「福岡空港回転翼機能移設事業」に関して、予測に必要な騒音レベル等を把握するため、実機飛行による調査を実施する。

7月28日に実施予定の実機飛行ルートと測定地点

福岡空港では、福岡圏域住民の安全・安心の確保、情報発信のための機能等のため、福岡市消防局や福岡県警察等のヘリコプターが常時待機している(2015年12月現在、自衛隊等を除き23機)。一方、福岡空港はアジア諸国との交流拡大やLCCの参入等により、航空機発着回数が増加しており、ヘリコプターの運用と民航機(固定翼機)の運航が競合することが多く、双方の運航に影響が出ているという。

そのため、ヘリコプター専用の運用施設を現空港場外に新設することで、緊急出動等の活動において、ヘリコプターのより迅速な活動を可能とし、福岡圏域住民の安全・安心の確保、情報発信のための機能等、重要な役割を最大限に発揮させることを目指している。なお、東京圏・大阪圏ではヘリコプターの拠点が別途設置されているが福岡圏にはなく、福岡空港のヘリコプター常駐機は他の空港に比べて突出して多い状況となっている。

ヘリコプターの常駐機数(2015年12月現在、自衛隊機等を除く)

対象区域は福岡圏福岡市東区大字奈多字小瀬抜で、約8万平方メートルの敷地内に滑走路(約1,050平方メートル・長さ35m×幅30m)、誘導路(約1,260平方メートル・長さ140m×幅9m)、エプロン(約2万8,000平方メートル)、ターミナル施設(約1万6,500平方メートル)等を設置。移設計画は2019年度末の完成を目指している。

7月28日10~12時および13~15時(予備日は29日の同時刻)に実施する実機飛行の調査では、ヘリコプターを対象事業実施区域周辺の上空で飛行させ、予測に必要な騒音レベル等を14地点において測定。想定飛行ルートは離陸から着陸までを1サイクルとして、午前10回、午後10回ずつ飛行する。多様なデータを集めるため、午前と午後で機種を変え、1機ずつ測定する。なお、対象事業実施区域内での見学はできないようになっている。実機飛行調査は10月にも実施を予定している。

実機飛行での使用予定機(福岡空港常駐機)