米Ankiがコンシューマ向け小型ロボット「Cozmo」を発表した。SFアニメに出てくるロボットのように感情豊かに動作し、ユーザーを認識して学び、成長する。価格は179.99ドル、米国で10月に出荷開始になる予定。Ankiのサイトで予約受け付けが始まっており、予約価格は159.99ドルとなっている。利用するにはiOSデバイスまたはAndroidデバイスが必要。

Ankiはカーネギーメロン大学出身の研究者が2010年に設立した。ロボティクスと人工知能(AI)の先端的な技術を用いたコンシューマ向け製品を手がけており、2013年に発売した最初の製品「Anki Drive」はAppleの開発者カンファレンスWWDCで取り上げられたことで話題になった。

Anki Drive

Anki Driveはスロットカーのようなシステムだが、光学センサーやワイヤレス機能、AIを搭載したミニカーを使って、ゲームのレースのように戦略的にレースを楽しめる。AIカーが操作者の走行パターンやクセを学習し、走り込むほどに上手く走れるようになるキャラクターがAnki Driveの特色である。しかし、レースカーロボットは走ることでしかキャラクターを引き出せない。AIによる個性的なキャラクターを最大限に引き出せる形にこだわった結果がCozmoである。

Cosmoは手のひらに乗るサイズだが、300以上の異なるパーツで構成される。たとえば4つのトランスミッションは約50個の歯車を備える。加速度センサー、ジャイロ、カメラといったセンサーを搭載し、それらのデータからAIがコンピュータビジョンやアニメーションを使った表情、生き生きとした動きを実現する。

Cozmoは持ち主の顔、名前、動きを覚え、持ち主と関わりながら個性を育み、声や表情、動作で様々な感情を表す。たとえば、Power Cubeで遊んだり、Quick TapやMemory Matchといったゲームで持ち主に挑戦するが、遊びを学習し、持ち主が楽しんでいたゲームを選んで遊びに誘いにくるようになる。

The Vergeの「Anki’s Cozmo robot is the real-life WALL-E we've been waiting for」によると、アニメから抜け出てきたかのような生き生きとした感情表現のあるロボットを実現する上で、開発チームは映画「ウォーリー」のWALL-Eのほか、鉄腕アトムやIron GiantからWarner Brosのキャラクター、Doozersまで、ありとあらゆるキャラクターを研究したそうだ。