ネットアップは6月24日、同社が6月7日に「NetApp SolidFire SFシリーズ」の新製品として、オールフラッシュストレージである「SF19210」および、同シリーズに搭載するストレージOSである「NetApp SolidFire Element」の最新バージョン「NetApp SolidFire Element OS 9(Fluorine)」を発表したことを受け、技術説明会を開催した。

2010年に創設された米ソリッドファイアーは昨年の3月、新たに日本法人を設立し、本格的に国内で展開を開始していたが、今年の2月に米NetAppに買収された。現在国内では、ネットアップの1つの事業部として活動している。

ネットアップ ソリッドファイアー事業部 SEリード&テクニカルアカウントマネージャー 松浦敦氏

ネットアップ ソリッドファイアー事業部 SEリード&テクニカルアカウントマネージャー 松浦敦氏はSolidFire製品について、「ネットアップはこれまで、企業を買収するとONTAPのOSに統合しようというアプローチを採ってきたが、現在はユースケースによってポートファオリオを分けていこうという戦略に変わっている。SolidFireは、次世代データセンターを目指したオールフラッシュ製品だ。ネットアップのオールフラッシュのビジネスは、ワールドワイドで700ミリオンドルで、EMCに次いで業界2位だ。オールフラッシュはアナリストの予想より早くユーザーに浸透しているが、これはGB単価が下がっていることに一因がある。SolidFireの場合は、2.5年で43%下がっている」と説明した。

SolidFireのGB単価の推移

松浦氏はSolidFireは次世代データセンターに向け、スケールアウト、自己回復型高可用性、QoS、オートメーション、インラインの重複排除と圧縮という5つの特徴があるとした。これらは、次世代データのセンターの課題に対応するために考えられた特徴だという。

SolidFireの5つの特徴

SolidFireのストレージは1Uのサーバをベースに、前面に10個のSSD、背面に10Gのイーサネットを装備。これを複数積み上げてリソースをプール化し、各アプリに割り当てていく。

SolidFireのストレージ

SolidFireの特徴を松浦氏は、「HDDは採用しておらず、オールフラッシュのみを提供する。QoSを搭載し、性能保証(製品により5万~10万IOPSを保証)しながら、ハイパフォーマンスが求められるクラウドに製品を提供しているのが、我々のユニークな点だ。そのため、性能を予測しながらシステムが組める。また、すべてがAPIでコントロールできるSoftware-Defined Data Center点が特徴だ」と説明した。

スケールアウトについては、必要応じて1ノードずつ機器を追加し、リニアに容量とパフォーマンスをスケールできる点がメリットだという。SolidFireは、4~100機のノードに対応し、機器を追加するとブロックを再配置し、ノード間でパフォーマンスの最適化を自動的に行う。

松浦氏は「ノード間で均一に配置することが、パフォーマンスを保証する前提になる」 と述べた。

また、機種が異なっても混在が可能で、既存製品が無駄にならない点も特徴だという。

スケールアウト

自己回復型高可用性では、障害時には冗長データ(別ボリュームにペアで書き込む)をリストアし、自動的に自己回復。QoSでは、ボリューム単位に上限/下限やバースト時などIOPSを指定できる点が特徴だという。

自己回復型高可用性

QoS

そして、オートメーションでは、APIからコントロールすることを前提に設計しており、管理ソフトなどと連携可能な点やセルフプロビジョニングを可能にしている点のほか、前述した機器の追加や削除にともない、ブロックを再配置し、パフォーマンスの最適化を自動的に行う点などの特徴があるという。

なお、SolidFire製品はこれまで日商エレクトロニクスやCTCなどを通じて販売されていたが、今後はネットアップの代理店を通した販売も検討していくという。