訪日外国人旅行を指す「インバウンド」、もはや目にしない日がないほど浸透したこの言葉。日本政府観光局によれば、2015年の訪日外国人旅行者数は前年47.1%増の1,974万人と、2,000万人に迫る勢いだった。これを受けて政府は「2020年に4,000万人」という目標を掲げる。

ここに来て、インバウンドの代名詞でもあった「爆買い」が減速気味。詳細な背景については6月21日掲載の記事に説明を譲るが、観光客数の増加も鈍化、買い物単価も下落、円高進行となかなか厳しい状況になってきた。インバウンド消費が「モノ」から「コト」へ移行したと指摘されるなか、魅力的な「コト」作りが急務だ。

その答えのひとつとして、明治座が打ち出したのが「SAKURA -JAPAN IN THE BOX-」(以下、SAKURA)だ。明治座は日本の伝統芸能とアニメ、最新のテクノロジーを融合させた新たなエンターテインメントと謳う。特徴的なのは公演が20時30分からと、夜遅い時間帯に設定されていることだ。

明治座の新しい取り組み、その名も「SAKURA -JAPAN IN THE BOX-」 (C)2016藤ちょこ/明治座

なぜ明治座が夜の時間帯に、インバウンド向けの公演を行うのだろうか。どうやら、SAKURAは日本橋の活性化において、重要な役割を担うことになりそうだ。