au WALLETをネット決済にもっと使いたい!

若い男性株主からは、au WALLETポイントについて、「海外のショッピングでPayPalの支払いに登録したかったが、登録できない。登録できない理由はあるのか。また、クレジットカードなら偽ブランドショップで買い物してしまった場合の補償サービスがあるが、プリペイドにないなど、トラブルに対して弱い印象がある」との指摘が寄せられた。

これについては高橋取締役が「PayPalへの対応は今後検討していきたい。また補償についても、クレジットカードに近い補償が受けられるよう改善していきたい」と回答した。

また、同じ株主からはWindows 10 Mobile端末への対応についても質問が寄せられた。これに対しては田中社長が、「法人向けではあるが、『HP Elite x3』を夏以降に出す予定。一般個人向けに販売するかは未定だが、ニーズを把握した上で前向きに検討したい」と言及した。

Windows 10 Mobileは今のところSIMフリー端末が多いが、法人向けとはいえキャリアの正規扱い端末が投入されるのは心強い。

ドコモに対抗できるのか!

最後に、若い男性株主から総務省のタスクフォースによる影響について質問があり、「一連の流れでドコモが有利になると分析しているが、どのように評価しているのか」という質問が寄せられた。

これに対しては田中社長より「ガイドラインに沿っていけばシェアの大きいドコモが有利になるのは事実である」と認める発言があり、「ドコモだけが有利にならないよう、しっかり対応策を打っていきたい」とコメントがあった。また、大臣が携帯料金に関する発言をするたびに株価が下がるという指摘に対しては、「料金は市場を見て対応していくのが基本で、総務省にも働きかけて、トータルで株主のメリットになるようにうまくやっていきたい」と話すに留まった。

株主総会ということもあって株主重視の姿勢が見られたが、改善が進めばユーザに取っても便利な側面はあるので、うまくバランスをとりながら舵取りをしてほしいところだ。

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今年の株主総会は約2時間、あまり大きく荒れる議題もなく、比較的スムーズに進行したという印象だ。ドコモは新社長に変わるが、auとソフトバンクは引き続き現体制での取り組みとなる。今後KDDIがどのようにドコモ有利と言われる市場に対応していくのかが楽しみな株主総会での質疑応答だった。

株主総会のお土産はKDDIロゴ入りのタオルとミネラルウォーター、それにパティスリー キハチのお菓子

株主優待はau WALLET Marketから選ばれた米や惣菜などが配布される