ダイエット志向が特に若い日本人女性に浸透している一方で、「その考えが果たして本当に自身の幸せに結びつくのか」と疑問を呈したのは、女性向けのトピックを数多く執筆しているライター・三浦天紗子さんだ。

「先日、おもしろい調査結果を目にしました。若い女性は『今は着られないけど、やせたら着る服』の平均保有数が5.4着だそうです。それだけ、多くの女性が常日頃、慢性的に『やせなくちゃ』という意識を抱えているんですね」。

現代は「やせたい」と思ったときに、運動ではなく「食」でダイエットをしようと思う女性が圧倒的に多い。しかも、日本人はメディアが発信する情報を素直に受け取る傾向が強い。「バナナダイエット」「糖質オフ」「炭水化物抜き」などの偏ったダイエット情報に感化された結果、「●●をいっぱい食べればやせられる」、あるいは「●●を食べなければやせられる」といった極端な発想にたどり着いてしまうと指摘する。

女性向けトピックの企画・編集・執筆をするライター・三浦天紗子さん

ダイエットを行うと決めたときに、女性が最初にとる行動

自分にとっての幸せとは何か

ではなぜ、日本人女性はそれほどまでしてダイエットをしようとするのか。三浦さんは、華やかな世界で活躍するやせた女性たちの姿が、多くの一般女性に「やせてきれいになれば、自分にもいいことが起こるかもしれない」「もっと愛されて、ちやほやされて注目されて、幸せになれるかもしれない」といった期待を抱かせ、あおってしまっているのではないかとみる。

「女性は単に『やせてきれいになりたい』のではなく、つまるところ、それによって『幸せになりたい』わけです。でも現実には、やせたからといって必ず幸せになれるわけではなく、『やせていても幸せじゃない』『やせても幸せになれない』女性は大勢います。けれど現実に今、生きづらさを感じて苦しんでいる人は、『やせることにすがるしかない』状況に陥ってしまうんですね」。

現代は「何かを成し遂げなければ」といった意識を持つ若者が多いという。そのため、資格取得に励んだり、趣味に熱中したりするが、そういった「打ち込むもの」がない女性ほど、ダイエットにのめりこむ傾向があるとされている。体重や体脂肪率、スリーサイズなどの数値が"成果"として明確に出るため、達成感を得やすいからである。

そして、メディアも「やせ志向」をあおっている部分があるのではないかと三浦さんは話す。

「女性誌において見た目中心の価値観を否定することは難しく、『見た目よりも中身』などと書いたところで、『きれいごと言わないでよ』と一蹴されてしまうため、その勇気をメディア側が持てないのが現状です。結果、非常にやせているモデルや女優の画像ばかり発信され、読者を洗脳状態に追いこんでいます」。

与えられ続ける膨大な「やせ=幸せ」という概念に屈服されることなく、いかにして「自身の幸せ」を見いだせるか。いつの時代もダイエットは女性にとって「永遠のテーマ」と言えるだけに、一人ひとりがしっかりと考えておきたい問題だろう。