退職してよかったこと・よくなかったこと

■質問:「退職してよかったことは?」

市原さん:「仕事が選べるのはいいですよね」

長谷川さん:「会社員の時は選べなかった?」

市原さん:「会社によって違うと思うんですけど、会社員時代はインハウスのデザイナーだったので、基本的には自社のサービスのデザインを担当していました。独立するとデザインの仕事でなくても挑戦できるのが面白いです」

長谷川さん:「デザイン以外の仕事も増えた?」

市原さん:「そうですね。新しいデバイスの企画開発とか変わったお仕事が増えてきて。企業で働いているとなかなか出てこないような案件があったり、受注するか否かも自己判断でできたりするのがとてもいいなと思いました」

かっぴーさん:「フリーとか独立してると自己責任だから、やりたい仕事はもちろんだけど、やりたくない仕事を断れるっていうのもあるよね」

菊池さん:「僕は逆のイメージですね。フリーの方が、ギャラが良いかどうかに左右されるのかなって……」

市原さん:「それはあります(笑)」

菊池さん:「会社員にも仕事を選ぶコツがあって……なるべくメールボックスやチャットツールを開かない(笑)。そしたら、いつの間にかもっと適任な人に話がいきますよ(笑)」

かっぴーさん:「冗談で言っているようで本当にやってるでしょう?(笑) これをできる人できない人っている気がする。ちゃんとメールやチャットを返した方がいいと思う人はサラリーマンを続けた方がいいと思う」

■質問:「退職してよくなかったことは?」

市原さん:「会社員の頃は仕事が終わったら個人の制作活動をやっていたんですが、仕事を辞めた後は意識が金、金、金……と、目が¥マークに(笑)。会社員のときはあまりお金のことを気にしてなかったんですけど、独立後は人に何かを頼むにもすべてがお金に換算されてみえるようになりました」

かっぴーさん:「"ビジネスの視力が良くなった"という感じ。見えなかったものが見えてくるので、やりづらくなるところもあるし。無料で呼ばれるのがすごく嫌になった」

市原さん「辞めたらフットワーク軽くなるかなと思っていたら、逆にこの時間でこれくらい仕事できる! と思うようになって腰が重くなったかもしれません」

長谷川さん「生産性を気にするようになったんすね」

かっぴーさん「そういう意味ではお金に厳しくなったよね」

「退職エントリ」を書く前に"共犯者"をつくる

退職するタイミングで、前職のことや転職先について、個人ブログ等でネット上に公開する"退職エントリ"。特にWeb業界の間では、退職エントリを書いてネット上で話題になるのも体系化しつつある。イベントでは、そんな退職エントリについても触れていたので、最後に紹介しよう。

■質問:「退職エントリって書きましたか?」

長谷川さん:「退職エントリを書くよりも先に仕事したい人リストを作成して100人以上に送りましたよ。ブログを書くよりも前に退職することを連絡しておくと、"秘密を共有した仲間"になるので」

かっぴーさん:「実際辞めたら、頼むよって言ってた人から頼まれなかったりして……」

菊池さん:「そういうブログ記事もありましたね。それは自分から『あのときの約束どう? 何か仕事ない?』って言ってたらいけたと思いますよ!」

長谷川さん:「なんか忙しそうだと思われて、遠慮されることってありますからね。難しいですよね~」

市原さん:「退職エントリは超効果ありますね!!」

長谷川さん:「一番の営業ツールですよ!」

かっぴーさん:「でも退職エントリをいきなり書いてもダメじゃない? "あの人が書いた退職エントリ"までにならないと」

長谷川さん:「匿名はめちゃくちゃ多いですしね」

市原さん:「実名で書いた方がいいですね。なるべく匿名性の高くない雰囲気のプラットフォームで書きました」

長谷川さん:「今までやってきたブログが自分のポートフォリオになる。いきなり書いても意味が無いから。退職エントリを書く前にWebで活動しておかないと。退職エントリ自体、Web文化のものですからね。もしかしたら、Webに関係ない仕事だとしても、退職に関する手紙を書くのもいいのかも」

かっぴーさん:「だから、先に周囲の人に話しておいて"共犯者"にさせるっていうのが真理だと思います」

長谷川さん:「久しぶりに会って、ブログ見ました! だとちょっと距離感が……。」

かっぴーさん:「結婚報告とかと同じですからね。いきなりFacebookの交際ステータス変わってるよ!? みたいな(笑)」