さて、Appleはただ単に画像認識機能を提供するだけではなく、きちんとその「使い方」を提案した。

新機能「メモリー」が多角的に分類

新機能「メモリー」(Memories) は写真ライブラリから、日時や位置情報、写っている人やグループ、シーンなどに応じて、写真を自動的に分類する。いわば、写真を楽しむための新たな単位だ。

例えば、旅の写真、デートの写真、山の写真、海や湖の写真、といったように、自動的にジャンルやトピック別に写真が分類される。さらに自動的にタイトルとカバーフォトが付けられ、そこに分類された写真やビデオが並ぶ。これがメモリーの基本的な仕組みだ。

加えて、メモリー内の写真やビデオと雰囲気ぴったりの音楽を合わせてスライドショー動画「メモリームービー」を自動的に生成する。メモリーをApple TVなどで振り返るのも、iCloudなどで共有するのもこの動画を使えば簡単だ。

新機能「メモリー」は、写真認識で分類された写真を自動的に束ねてくれる。メモリームービーも自動生成される

メモリームービーは雰囲気や長さをカスタマイズできる。設定を変えると、それに応じてすぐにムービーが作り直される

Live Photosの根本的な問題解決にも期待

iOS 10の写真アプリには、Live Photosに対する機能強化も盛り込まれている。

WWDC16の基調講演では、Live Photosの編集機能が紹介された。さらっとスライドで説明されただけであったが、Live Photosの色味を調整したり、トリミングを行える機能が搭載されたと考えられる。

さらに、iOS 10の新機能一覧の中に「Live Photos Stabilizer」「Live Filters for Live Photos」という項目を見つけた。

実際にLive Photosを撮影してみると、素人ではAppleのデモのように上手くはいかない。三脚でも立てない限り、ビシッと固定されたフレームの中で被写体だけが美しく動くようなシーンを切り取ることは不可能だ。

しかし、新機能「Live Photos Stabilizer」が、Live Photos撮影時に働く手ブレ補正機能を意味するのであれば、問題を解決してくれる可能性がある。iPhoneを手持ちで撮影する際にも、被写体の動きだけに注目できるような結果を得ることができるだろう。

加えて、「Live Filters for Live Photos」についても、Live Photosの楽しみを拡げる新機能となりそうだ。ライブフィルターというからには、リアルタイムエフェクトをかけたプレビューを見ながらLive Photosを撮影できる機能であると推測できる。