運動を習慣にするために必要なこととは

毎年、年頭などの節目に「今年は運動をするぞ! 」と決意するものの、多忙だったり、けがが怖かったり、ジムに行くのがおっくうになったりなどの理由で挫折する人も多い。だが、運動を習慣づけさせる"テクニック"があるとしたらどうだろうか。

海外のさまざまな論文を紹介する「live science」にこのほど、「運動を習慣にする方法」にまつわるコラムが掲載された。オハイオ州立大学のマイケル・ジェネスコ医師によると、運動を習慣化させるためのコツは「自分に適した運動プログラムを選ぶ」とのことだ。好きなもので、費用もそこまで高くなく、時間的にも許容範囲の運動であれば長続きするという。

「自分に適した運動プログラム」を選んだうえで、軽い運動から始めてゆっくり進めることがルーティーン化には大切。さらに負荷の少ない運動から始めてけがをしないように注意するべきで、慢性の健康障害を持っている人は医師の指導の下、注意を払いながら運動をするようにすべきという。

新規にジムの会員になる必要もなければ、新しいワークアウト用の服を購入する必要もない。最も重要なことは「自分がその運動を気に入るかどうか」という点で、運動の種類はウオーキングや水泳、ダンスクラスの受講など、何でもよいとのこと。

米国保健福祉省のガイドラインは、成人は「適度な運動を1週間に150分するべき」としている。150分の振り分け方に関し、専門家は「週5日間、毎日30分の運動がよい」ということで意見が一致している。また、一度に10分以上の運動をすれば、「運動」としてカウント可能になるという。

例えば、勤務前に10分ウオーキング、昼食休憩時に10分ウオーキング、夕食後に10分ウオーキングでも合計30分の運動になる。多くの研究によると、10分ごとの運動を3セット行うのと、30分連続で運動をするのとでは効果は同じだとされている。

10分未満の運動の効果に関してはまだ明らかではないが、合計して30分になれば、やはり健康に有益だと言える。2013年に6,000人以上の成人アメリカ人を対象にし、10分以下の運動を含め一日に30分運動をする人と、10分以上の運動を含めて一日に30分運動する人の健康を調べたところ、血圧やコレストロール値、腹囲などの指標で相違はあまりなかった。

さらに同ガイドラインによると、ランニングなどの激しい運動をすれば、合計の運動時間を短くすることも可能。適度な運動を1週間に150分するのと、激しい運動を1週間に75分するのは同じ効果があるという。同ガイドラインは、少なくとも1週間に2度は筋肉トレーニングをするように薦めている。

以上のことを踏まえたうえで、運動の習慣化に向けて特に気をつけてほしいポイント4つをまとめた。

(1)軽めの運動からスタート

「一日20分、週3日から」という具合に軽い運動から始め、ゆっくり進めるという考えが基本だ。慣れてくれば、一日30分、週3日の運動とし、最終的には一日30分、週5日にもっていけばよい。

(2)ケガを避けるためのルール作り

運動初心者はけがを避けるためにウオーキングや水泳、自転車のような負荷があまりかからない運動をするように。さらに「10%ルール」を守るのが重要だ。「10%ルール」とは、1週間に増やす運動量を10%までに抑制する考え。仮に今週100分のジョギングをしたなら、来週は最大110分までしかジョギングしないということだ。

(3)時間を有効活用する

定期的に運動をするための最大の障害は時間だ。時間は自分で見つけ、自分で作り出そう。例えば、駐車場所をいつもより遠くにし、目的地まで10分間歩くこともできる。「5キロ走る」「タイムをよくする」といった一定の目的を設定するのも、運動定着にはよい方法だ。

(4)必要ならば医師の助力を得る

運動を始める前は必ず医師と相談するようにしよう。特に心臓疾患の疑いがある人は運動を始める前に検査し、医師の指導の下で適切な対処をする必要がある。また、糖尿病の管理に運動はよいのだが、血糖値が大きく下がる危険性もある。糖尿病の人は空腹時に運動すべきではなく、運動の前後に血糖値を測定すべきだ。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。