最大の注目点は「ワイヤレス機能の強化」だろう。ソニー製AV機器(2016年6月現在ではAVアンプ「STR-DN1070」とサウンドバー「HT-NT5」の2製品)を親機に、ZR7を左右リアスピーカーとした5.1chサラウンド環境を構築できるのだ。当然、ZR7を2台用意しなければならないが、完全ワイヤレスでリアスピーカーを設置できるということは、設置難易度の高さからサラウンドを敬遠してきた層には朗報だ。左右完全分離の2chワイヤレスステレオスピーカーとしても活用できるため、広い音場を手に入れるという目的でもいい。この拡張性こそが、2015年モデルとの差を際立たせている。

おそらくワイヤレススピーカーでは初のHDMI端子搭載も一大トピックだ。テレビのARC対応HDMI端子と接続するだけで、テレビ用スピーカーとして使用できるようになる。ふだんはワイヤレスで使い、映画や音楽番組を楽しむときだけHDMI接続するという活用方法は提案性が高い。テレビの音に不満だがサウンドバー導入には抵抗がある消費者にとって、格好の選択肢となるだろう。

バッテリーは非搭載、AC電源で駆動する据え置き型となるが、入力はステレオミニジャックとUSB-A、USB-B、Ethernet、HDMI、ワイヤレスはWi-Fi(IEEE802.11 a/b/g/n)にBluetoothと幅広い

X88譲りの機能でもっともユーザーベネフィットが大きいのは、豊富な入力ソースだろう。BluetoothにWi-Fi、DLNA、USB A端子(USBマスストレージ、ウォークマン、iOSデバイス)、USB B端子(USB DAC)、有線LANとステレオミニジャックも備えている。AirPlayのサポートは廃止されたが、ソニー製品共通のコントロールアプリ「SongPal」を使えばDLNA再生はたやすく、さほどデメリットは感じない。

リモートコントロールアプリ「SongPal」を利用すれば、Wi-Fiの設定はかんたん。再生指示や音質設定などすべての作業がこのアプリで完結する