歌舞伎俳優・市川海老蔵さんが6月9日、東京都内で会見を開き、妻でフリーアナウンサーの小林麻央さんが乳がんを患っていることを明らかにした。海老蔵さんによると、1年8カ月前に判明したそうで、「2人で人間ドックを受けて、結果的に何回か調べてわかった」とのこと。進行スピードは速いそうで、現在は抗がん剤治療を中心に行っており、手術という選択肢も考えていると話した。

過去にはタレントの北斗晶さんや生稲晃子さんも罹患(りかん)を公表するなど、芸能界にも乳がんと闘っている女性は少なくない。「女性特有のがん」とも称されることがある乳がんを女性だけではなく、パートナーを持つ男性にもきちんと理解してもらうべく、乳がんに関する記事をまとめた。

乳がん早期発見のため、セルフチェックを日ごろから行おう

女性がなりやすいが、男性も発症する

厚生労働省の統計(2011年)によると、女性の乳がんの罹患率(りかんりつ)は20.4%で、女性のがん罹患率の中では最多だった。死亡率は全体では第5位だったが、30歳~64歳までの女性の死亡率では第1位になるなど、比較的若い世代で亡くなっている人が多いことがうかがえる。主なリスク因子には、飲酒習慣や喫煙、ホルモン治療、肥満などがあるとされている。

■乳がんだけじゃない! 女性がなるリスクの高いがんを知っていますか?

昨今の日本では、毎年6万人ほど乳がん患者が増えているとされており、親からの遺伝で発症する人もいる。また、「女性がなるがん」というイメージが強いかもしれないが、数こそ少ないものの男性でも乳がんになるケースは確認されている。

■乳がんや卵巣がんって遺伝するの!? 予防はできる?

日ごろからのセルフチェックが早期発見のカギ

乳がんを早期に発見するための手段の一つとしてセルフチェックがある。時にはパートナーが女性の胸のしこりに気づくこともありうるが、やはり自分の胸の異変は自分が一番気づきやすいはず。定期的に自らの乳房を触ったり、鏡で見たりする習慣を持つのがいいだろう。

■乳がんはセルフチェックで見つけられる? - 「医師の触診も完全ではない」

■乳がん予防の第一歩は、普段の自分の胸の状態を知ることにあり!

日本の乳がん検診受診率は最低クラス

毎日、自分の目や手でセルフチェックをする一方で、機械や医師によるチェックも乳がんの早期発見には必要不可欠。特に乳がんの場合、「医師であっても触診は完全ではない」と言われていることから、なおさら超音波検査やマンモグラフィー検査で検診を行うことが重要となってくる。

だが、日本のがん検診受診率はOECD加盟国34カ国中で最低水準にある。例えば、米国の乳がんと子宮頸(けい)がんの検診受診率が70~80%であるのに対し、日本はその約半数の40%という低い値となっている。

■がん死亡率増加は先進国で日本だけ--がん検診受診率は欧米と比べて最低水準

定期健診をしていたとしてもがんを100%発見することは難しいのが現状だが、一定以上の効果は認められている。乳がんの早期発見に大切なのは、病院での検診はもちろん、"自己検診"によって「自分の正常時の乳腺の状態」を知ることだと覚えておこう。

■乳がん予防に大切なのは病院+自分による「W検診」

企業にも広がる乳がん検診を促すサービス

このように女性の罹患率が高いにも関わらず、検診が進んでいるとは言いがたい現状を鑑みてか、乳がんの早期発見・早期治療に結びつくようなサービスを提供する企業なども出始めている。

■生協で「乳がん触診モデル」設置など、早期発見のための活動を実施中

■乳がん検診施設紹介サービス「乳がん検診コンシェルジュ」開始

「オペ室より愛をこめて」を執筆する医師のさーたり先生も、実際に乳がん検診でエコーや触診を重ねてきた中で、「もっと早く乳がん見つけられたのではないだろうか」と感じる患者さんに何人も出会ってきたという。

卵巣がんなどの気づきにくいがんもある中で、乳がんは「自ら発見可能かもしれないがん」ともとらえることができる。特に女性は今回紹介した記事を参考にし、これまで以上に自分の胸に対して敏感になり、これまで以上に乳がん検診に興味をもってほしい。