TKCと広島銀行は6月8日、広島銀行がTKCのFinTechサービスを利用することで合意し、中小企業の経営力強化に向けて共同で取り組むこととなったと発表した。TKCによると、今回の合意は西日本では初だという。

今回の合意により、TKCのシステムを利用する税理士や公認会計士といったTKC全国会会員は、毎月の巡回監査を通じた指導により作成した「中小企業の会計に関する基本要領」に準拠する決算書や月次の試算表などの信頼性の高い財務データを、顧問先企業の了解のもとで広島銀行へ提供することが可能になる。TKCが開発するFinTechサービスは以下の通り。

  1. 月次試算表提供サービス(仮称)
    関与先企業の了解の下に、TKC会員事務所による巡回監査と月次決算の終了直後に、金融機関に対してモニタリング用の月次試算表等のデータを提供するサービス

  2. 決算書等提供サービス(仮称)
    関与先企業の了解の下に、法人税(所得税)の電子申告後に、融資審査、格付けのために金融機関に対して決算書や申告書等のデータを提供するサービス

  3. 最新業績閲覧サービス(仮称)
    関与先企業の了解の下に、金融機関がTKC会員事務所を経由して、関与先企業の自計化システムの最新情報を閲覧できるサービス

これを受けて広島銀行では、融資先企業の試算表などをタイムリーに入手でき、経営の状況をリアルタイムで把握可能になるとともに、同サービスの利用により企業収益力の強化に繋がるコンサルティングや資金繰りの安定化に繋がる融資提案などを実施する。

また、両者はお互いのノウハウを活かし、融資手続の簡素化やタイムリーな資金調達支援、事業性評価を通じた企業の経営力強化に繋がるコンサルティングなどの新サービスを共同で研究していくとしている。