今後はハイスペックでも価格を抑えたSIMフリー機が登場?

――今回、グローバルで展開しているHTC 10がほぼそのまま導入される一方で、HTC J Butterflyに搭載されていたワンセグ/フルセグやFelicaのサポートがなくなりました。今後のSIMフリーを含めた端末でも同様の仕様になるのでしょうか?

玉野社長 HTC J Butterflyではワンセグなど日本仕様に合わせるというチャレンジがありましたが、その影響でFelicaの反応速度を達成したり、電波強度を維持するためにメタルボディを諦めることになりました。HTCらしさを追求するのであればやはりメタルユニボディの端末を出したいと考えていました。

日本仕様に合わせた「HTC J Butterfly」。メタルのユニボディにすることはできなかった

HTC 10では日本向け機能がないことをカバーできるほどの魅力を備えた端末に仕上がったと考えており、グローバルモデルをそのまま持ってくることができました。HTCファンにっとては最もHTCらしい製品をご提供できたと考えています。HTCをあまりご存知ない方には店頭でぜひ手に取っていただいて、メタルユニボディはこんなにきれいなんだ、と知っていただきたいです。

SIMフリー端末については、昨年からHTC Desire EyeとDesire 626という機種を販売していますが、この結果、本体価格が5万円以上になるようなハイエンド帯はほとんど売れないことがわかりました。この価格帯はキャリアがもっと安く販売しており、競合が難しいのです。またSIMフリー端末を「格安スマホ」と表現されてしまい、安い機種でなければ売れないというイメージが根付いてしまっています。

一方でユーザーからは、SIMフリーでもちゃんとゲームができてサクサク動くスペックの端末を手頃な値段でほしいという声があります。いずれ、HTCらしさを備えつつ、3~4万円前後でフラッグシップ級の性能を踏襲するレンジの製品を出せればと考えています。