大成建設は5月30日、BIMデータを利用して建物内で発生する環境振動の予測評価に必要な解析モデルを自動作成するツール「T-BIM Vibration」を開発したと発表した。

従来方式ではBIM情報を利用、変換するシステムが無かったため、CADデータや仕様書をもとに、建物の構造部材の形状や材料などのデータを手作業で入力し、有限要素法の解析モデルを作成していたが、大規模施設や複雑な形状の建物を対象とした解析モデルを作成するには多くの時間を要していた。

「T-BIM Vibration」では、BIMデーを活用することで解析モデルを数時間で作成でき、予測評価にかかる時間を大幅に削減することが可能。BIMデータをもとにすべての部材が3次元情報を持つソリッド形状で表され、部材の複雑な形状を忠実に再現するため、高精度な予測評価と無駄のない経済的なフレーム設計が実現するとしている。

大成建設は今後、同ツールを大規模施設や複雑な形状の建物に加え、建物内での環境振動が懸念される物件の計画・設計に利用し、高い耐振動性能を低コストで実現する建物の提案に活用するとしている。

従来方式と「T-BIM Vibration」を利用したモデル作成手順の違い

「T-BIM Vibration」を用いて作成した解析モデル