NTTドコモとヴァル研究所は5月24日、利用客の外出先や行動エリアに応じて生活に密着した情報や広告をタイムリーに配信することを目的として、ドコモが提供する公衆Wi-Fiサービスである「docomo Wi-Fi」を利用するO2O(Online to Offline)型位置連動情報配信システムを共同で開発したと発表した。

新システムの利用イメージ

新システムは、スマートフォンなどのアプリ画面上にアプリ利用者の現在地周辺の店舗情報などを配信。アプリ利用者の位置情報はアプリ利用者の同意を得て、駅や空港、カフェなど全国約15万ヵ所に設置済のdocomo Wi-Fiのアクセス・ポイントに基づいて推定する。

地図上に仮想的なフェンスを設置する技術であるドコモのジオフェンシングAPIと、ヴァル研究所の広告配信技術を組み合わせることで、従来のアプリ上の情報配信システムとは異なり、屋内外や地下を問わずアプリ利用者の現在地を推定し、場所に応じた情報の配信が可能になるとしている。

具体的には、Wi-Fi機能をONにしたスマートフォンを持つ利用者がdocomo Wi-Fiのアクセスポイントの圏内にいる状態で、O2O型位置連動情報配信システム対応のアプリを起動すると、アプリ画面上に現在地周辺の店舗情報などを配信する。

今後、ヴァル研究所は同システムを多様な事業者へ提供するとともに、同社が提供する乗換案内アプリである「駅すぱあと」上で、同システムを活用した広告配信サービスの開始を予定している。同システムを駅すぱあとに採用することで、アプリ利用者は外出先で現在地周辺の情報をタイムリーに取得可能になるという。

ドコモは、パートナーと共に新たな価値を協創する「+d」の取り組みを通じ、利用客の生活をより豊かにすることを目指しており、ジオフェンシング技術を利用する新たなビジネスの創出に向けて、今後も技術開発を継続していく方針だ。