アステラス製薬(アステラス)、第一三共、武田薬品工業(武田)は5月23日、健康成人を対象としたバイオマーカーの基礎データを網羅的に取得・解析する共同研究契約を締結したと発表した。

同契約において3社は今後、生体内タンパク質や代謝物をバイオマーカーとした臨床試験を実施するうえで必要となる、健康成人におけるバイオマーカーの基礎データを網羅的に取得し、共同で解析を行っていく。サンプルはオランダのライデン大学が提携する臨床研究機関にて取得される。

アステラスは、泌尿器、がん、免疫科学など、第一三共は、がんおよび複数の次世代領域、武田薬品はオンコロジー、消化器系疾患などといったように、3社それぞれにおいて重点疾患領域が設定されているが、解析により得られたデータは同領域において活用される。また、患者のアンメットメディカルニーズを満たすために行われる創薬研究への活用に向け、公開される予定。

3社は今回の共同研究について、これまで個別の製薬企業では難しかった網羅的なバイオマーカーのデータ基盤構築が可能になるとともに、トランスレーショナルリサーチのアプローチを用いたより効果的な創薬活動にもつながると説明している。