2016年5月11日から5月13日まで東京ビックサイト・西ホールにて開催されている「第5回 IoT/M2M展 春」では、サイレックス・テクノロジー(サイレックス)が「切れない無線」を実現するための技術を展示している。

産業系アプリケーションにおける無線LANネッワークでは、ダウンタイムを削減し、安定したネットワーク環境を構築することが重要となる。この「切れない無線」環境を構築するためには、まず無線LAN環境を把握する必要がある。

サイレックスの無線LAN環境調査用デバイス「NX-1」は、無線LAN環境の調査に必要な情報を簡単な操作で収集することができる。指定されたチャネル順にスキャンし、周辺の無線LANの電波状態を測定する「サーベイモード」、無線LAN以外の2.4GHz帯、5GHz帯の電波を調査する「スペクトラム・アナライザモード」、指定した周期で周辺の電波状態を測定する「環境測定モード」、指定したチャネルの無線LANフレームをキャプチャする「フレームキャプチャモード」の4モードにより、無線LAN製品の導入から運用、サポートまで幅広いシーンで活用することが可能となっている。

無線LAN環境調査用デバイス「NX-1」

「切れない無線」環境を実現するためにサイレックスが取り組んでいるのが無線LANのメッシュネットワーク技術だ。メッシュネットワークはノードの1つに不具合が発生した場合でも、自動で別のノードに接続するためネットワークのダウンタイムを削減することができる。

同ブースで展示されている無線LANメッシュネットワーク技術「AMC(Absolutely Must Connect) Mesh」では、10Mbps以上の通信レート、ネットワーク構成・再構成の所要時間10秒以下、レイテンシー10msec以下を実現し、なおかつDFS帯域もサポートするとしている。同技術は現時点では参考出展の段階だが2016年度中には製品化される見込みだ。

AMC Meshのデモンストレーション画面

「切れない無線」環境の構築にはアクセスポイントの接続安定性もポイントとなる。AMC Mesh技術と同じく参考出展されているワイヤレスアクセスポイント「AMC AP Prototype」は、IEEE802.11 ac/a/b/g/nに対応したDual Band無線LANモジュール「SX-PCEAC-DB」を2枚搭載。1枚はワイヤレスアクセスポイント機能として、もう1枚をワイヤレスサーベイ機能として制御することで、2.4GHz帯/5GHz帯の全てのチャネルの無線品質をリアルタイムに監視し、ワイヤレスアクセスポイント機能で使用しているチャネルの無線品質の低下を検出した際に、品質の良いチャネルへ移動することで常に安定した無線LAN環境を実現する。

また、2台の同製品間でアクセスポイント間通信機能を使用する際に、2枚の無線LANモジュールで2.4GHz帯と5GHz帯で通信経路を二重化する冗長化機能を開発しており、同機能によりノイズや混雑などの外的要因により発生する無線LANネットワークのダウンタイムを大幅に削減することが可能になるとしている。

ワイヤレスアクセスポイント「AMC AP Prototype」