ベルギーimecは5月3日(現地時間)、生涯にわたり、半導体ナノエレクトロニクスのイノベーションに貢献した産業人を讃える賞「Lifetime of Innovation Award」をIntelの共同創業者で、「Moore's law(ムーアの法則)」の提唱者でもあるGordon Moore氏に贈ると発表した。同賞は2015年より開始されたもので、前回受賞者は台湾TSMCの創業者であるMorris Chang氏であった。

今回受賞が決まったMoore氏が1965年に提唱した、いわゆる「ムーアの法則」(集積回路に搭載されるトランジスタ数は毎年(10年後の1975年に「2年ごとに」と修正)倍増するという経験則)に沿った微細化・高集積化・低コスト化によって半導体産業は目覚しい発展を遂げた。

imecの社長兼CEOであるLuc Van den hove氏は、「ムーアの法則は50年以上前に作られたが、今でも通用し、imecでの研究の指針にもなっており、32年にわたる歴史を通して、よりどころとして研究を続けてきており、パートナーが社会に役立つ最新の技術を開発するのを助けてきた。Moore氏が提唱したこの法則は、我々のミッションであり、今回彼を表彰することは我々の名誉とするところである」と述べている。

なお、Lifetime of Innovation Awardの授賞式は、2016年5月末に、ベルギー国ブリュッセルで開催されるimecの年次研究計画紹介集会「imec Technology Forum 2016 Brussels」の冒頭に行われる予定となっている。

Intel共同創業者Gordon Moore氏と同氏の研究ノートに書かれていたムーアの法則の基礎となるグラフ。グラフの横軸は集積回路に搭載される部品数、縦軸は部品あたりの製造コスト、パラメータは上から順に西暦1962年、1965年、1970年。ムーアの法則は、集積度の増加を予測する法則として広く受け入れられているが、実は、部品コストを最小化する集積度に関する法則である (出所:Intel)

imec社長兼CEO Luc Van den hove氏(左)とGordon Moore氏(右) (出所imec)