宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月28日、金星探査機「あかつき」に搭載している各観測機器について、定常観測へ移行したと発表した。

同衛星は1μmカメラ(IR1)、2μmカメラ(IR2)、中間赤外カメラ(LIR)、紫外イメージャ(UVI)、超高安定発振器(USO) 、雷・大気光カメラ(LAC)を搭載。動作確認や試験観測での最適化などの結果、打ち上げ前に想定した各フィルターを通した感度、画像の分解能などの観測性能を満たしていることを確認したため、LACを除く各機器の定常観測への移行を判断した。LACは金星の陰に入るときに運用する観測機器であり、約10日に1回、1時間程度の運用となっているため、調整に時間を要しているという。

JAXAの中村正人・あかつきプロジェクトマネージャは「みなさまのお蔭をもちまして4つのカメラと超高安定発振器の観測を定常状態に移行することが出来ました。ありがとうございます。これからは世界最先端の金星研究のためにデータを継続的に取得してまいります。また、LACも早い時期の定常観測移行を目指して行きます。今後とも日本の金星探査機『あかつき』にご期待ください」とのコメントを発表している。

「あかつき」の想像図 (イラスト: 池下章裕)

試験中の「あかつき」 (C) JAXA