ガートナー ジャパンは4月26日、日本企業のIoTへの取り組みに関する調査結果を発表した。

IoTについて、企業がどのように取り組んでいるかを質問したところ「IoTの専門部署やグループができた」割合が10.1%となり、IoTに関して具体的な推進体制を整備できている企業は全体の1割程度にとどまることが明らかになったという。特に、2015年の調査時に1年以内に体制を確立する予定としていたが、結果としてはその大半が実現には及ばなかったとしている。

IoTの推進体制を確立させている企業の割合の変化

また、IoTに対する意識調査も行った結果「社内の変革を推進する」「ITがよりビジネスに貢献できる」など、成果への期待に対する回答の割合が50%を超えたが、「いまだにどこから手を付けてよいか分からない」とする回答も4割近くあり、期待と現実的なアクションへの落とし込みに対する難しさが入り混じる現状が明らかになったという。

IoTに対する期待や不安

今回の結果について、ガートナー ジャパンのリサーチ部門リサーチ ディレクターである池田武史氏は「IoT推進体制の確立に関しては、2015年の調査結果である8.5%と比較して増加はしているものの、2015年の時点で1年以内に体制を確立する予定と回答した16.7%の大半の企業がそれを見送った状況といえる。IoTに期待する企業の割合は2015年とほぼ変わらないとみているが、取り組みを推進するきっかけや明確な目標をまだ捉えきれていない。2015年は海外ベンダーだけではなく、国内の大手システム・インテグレーターやサービス・プロバイダーなどがIoTの推進体制を確立し、それぞれのビジネスの機会を狙い始めましたが、企業の慎重な態度が今後も続くようなことになれば、その成果を得られる時期については見直しを迫られるリスクがある」と述べた。

調査は、国内の特にITインフラストラクチャにかかわるマネージャー向けのアンケート調査を通して、日本におけるさまざまなITのニーズや課題を分析することを目的に実施。有効回答数は515件で、全国の従業員数500人以上の企業を対象にしている。

回答者は、ITインフラストラクチャ領域において、製品やソリューション、サービスの導入の選定に際し、決裁権がある/関与している、もしくはITインフラストラクチャの戦略に関与している役職を想定。2015年の調査は3月に実施し、2016年の調査は2月に実施した。