日本の家屋の「防寒・断熱性」について外国人はどのように思っているのだろうか

日本の住宅は、湿気がこもらないように工夫されていることが多い。湿度が高い国なので、通気性をよくしないと梅雨や夏は室内が蒸し暑くなるし、結露などによって建材が傷んでしまうこともあるからだ。その反面、防寒・断熱性は他国の家より劣っていると言われており、外国から来た人は「日本の家は寒い」と感じることも多いという。

とはいえ、外国の気候も各地で異なる。寒い国もあれば暑い国もあるし、湿度も雨量も違っている。そこで、さまざまな国から来た日本在住の外国人20人に「日本の家の防寒・断熱性は母国と比べてどうなのか」と質問してみたので、気になった解答を紹介しよう。

Q. 日本の家の防寒・断熱性は母国と比べてどうですか? 理由とあわせて教えてください

■日本の家は寒い
・「ほとんどのアパートやマンションも防寒・断熱性がまったくついてませんので、ダメだと思います。ヒーターを消したら、熱がすぐ外に逃げてしまい、寒くなります。カナダの家はほぼ全部防寒・断熱がついてますので、イメージ的により先進な国である日本の建物はなぜ防寒・断熱性がついてないことが不思議です」(カナダ/30代前半/女性)
・「韓国は二重窓が一般的です。また、オンドル(床暖房)が付いているのが普通なので、室内はとても暖かいです。日本の冬は普段は韓国よりずっと暖かいですが、寒波がきたときの室内は韓国より寒く感じます」(韓国/30代前半/女性)
・「フィリピンは暑い国だけど室内は涼しいです。日本の家は寒いと思います」(フィリピン/30代中盤/女性)
・「エジプトの方が防寒・断熱性が高いです。日本の暖房も冷房も弱いと思います」(エジプト/20代中盤/男性)
・「窓枠の造りが違うようで、母国では窓枠はプラスチックです。日本の窓枠では冷たい風や夏の暑い空気が入りやすいように思います」(トルコ/40代前半/男性)

■日本の家は快適
・「オーストラリアより優れていると思う。オーストラリアの家は大半がレンガ製ですので、外気に影響されやすい」(オーストラリア/30代後半/男性)
・「日本の建物のつくりは優れていて最高です。ブラジルは単純でそういう機能がほとんどなく、あっても高級一軒家くらいだと思います」(ブラジル/40代前半/女性)
・「非常によいです。ベトナムと比べたら、うらやましい気持ちです。ベトナムの北部は日本と同じく四季がありますが、防寒と断熱性能がなくて大変です」(ベトナム/30代前半/女性)
・「日本の家の方がしっかりしてると思います。香港は日本みたいに雪とか降らないので、防寒などを重視してない気がします」(香港/20代後半/女性)

■その他
・「ロシアは必ずセントラル・ヒーティングがついていますが、日本はほとんどエアコンで暖房されているので大きく違っていると思います」(ロシア/20代後半/男性)
・「とても良いと思います。床暖房がある家は冬がとても暖かい」(台湾/40代後半/女性)
・「私は沖縄に住んでいるので、断熱性について分かりません。防寒は全くされていません」(ウクライナ/20代中盤/女性)

■総評

今回のアンケートでは、日本の家の防寒・断熱性は母国の家よりも劣っていると感じている外国人が20人中5人、優れていると感じている外国人は8人という結果になった。すべての外国人が「日本の家は寒い」と感じているわけではないが、4人に1人は不満を抱えているようだ。

特に、「イメージ的により先進な国である日本の建物はなぜ防寒・断熱性がついてないことが不思議」と言うカナダ人女性の意見が特徴的だ。裏を返せば、先進国であれば防寒・断熱性の高い家が普通という考え方であり、通気性を重視する日本の家は、先進国の中では珍しいのかもしれない。

調査時期: 2016年2月15日~2016年3月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート