PFUは4月15日、業務用イメージスキャナ「fiシリーズ」の最新製品として、A3モデル「fi-7480」および「fi-7460」、A4モデル「fi-7030」の3製品をラインアップに追加したことを発表した。

fi-7460は、同社が従来提供してきた「fi-5530C2」の後継製品に位置づけられるもので、従来品比で設置面積を約12%縮小しつつ、同20%増の毎分60枚(A4横送り、カラー200/300dpi)のスキャン速度を実現している。また、fi-7480は、さらに高速な毎分80枚のスキャンを実現した製品となっている。

いずれも機体サイズは幅380mm×高さ168mm×奥行き209mm(ADF給紙シュート、スタッカーおよび突起部分を除く)で、同社によると、特にオフィスの椅子に座ったまま給紙や操作が可能な高さを実現することにこだわったとする。

fi-7460/fi-7480の概要

またfi-71xxシリーズでも採用していた原稿詰まりが発生した際の異音と、原稿の移動量によるたわみの2種類の検知機能を搭載。これにより、スキャン時の原稿詰まりが生じた際の原稿へのダメージや破損のリスクを低減することが可能となっている。さらに、2つある給紙ローラーを左右個別に制御することで、原稿が斜めになることを防げるようになったため、サイドガイドで固定しなくても、原稿をまっすぐに読み取ることが可能となった。ちなみにサイドガイドも左右で別々に位置を移動させることが可能となっており、どちらか片方に寄せてスキャンを行うといったことも可能だ。

利用時の利便性向上のための各種機構が搭載されており、サイズの異なる原稿をまとめてスキャンしたり、原稿が斜めになったりすることを防ぐことができるようになっている

このほか、新たに綴じられた原稿の読み取りを可能にする「手差し・単送モード」を搭載。物理スイッチの切り替えでモード変更がなされ、複写伝票や付箋などが張り付いた原稿、2つ折原稿、封筒といったものもスキャンすることが可能となったほか、読み取り可能な原稿の厚さを拡大したことで、免許証のようなプラスチックカードの読み取りにも対応。これらの機能を組み合わせることで、サイズ、厚さの異なる原稿を一度のスキャンで読み取ることが可能となり、作業時間の短縮を図ることができるようになっている。

fi-7480の実機画像。機体には小型液晶パネルも設置され、機体の状況確認や設定などを行うことができる。背面はUSB 3.0ポートとインプリンタ接続用のポート、電源コネクタのみというシンプルなものとなっている。右の画像が本体上部に備えられた「手差し・単送モード」切り替えスイッチ

また、こうした機能に加え、各種規格のバーコードやQRコードが記された原稿(ヘッダシート)を読み込ませることで、その原稿以降を1つのファイルにする、といったファイル分けも可能となっているほか、読み取った原稿の4片のどこから欠けている場合のアラートや、重送が発生した原稿データなどにアラートを出し、一目でどれだけ正確にスキャンを行えたのか、といったことを専用ソフトウェア「PaperStream Capture」を用いることで手軽に確認することができるようになった。

加えて、オプションとして表面もしくは裏面に印字が可能なインプリンタも用意。原本照合作業などの効率向上と負担軽減の両立を図る配慮もなされている。

一方のA4スキャナ「fi-7030」は従来機である「fi-7160/7180」の下位モデルで、「fi-6110」の後継機種という位置づけ。毎分27枚(A4縦送り、200/300dpi)のスキャン能力を有しているほか、センサ部を除いたブレーキローラーなどの読取機構を「fi-7460/7480」と同様にすることで、高耐久性の実現やプラスチックカードなどの読み取りなどにも対応した(センサ部はfi-7030がCIS、fi-74xxシリーズがCCD)。

なお、3製品ともに受注はすでに始めているが、出荷開始はfi-7460/7480が4月22日を、fi-7030が5月31日をそれぞれ予定している。価格はfi-7480が40万円(税別)、fi-7460が30万円(同)、オプションのインプリンタが 表面、裏面いずれも12万円(同)となっている。fi-7030についてはオープン価格としているが、同社が運営するオンラインショップ「PFUダイレクト」では6万円(税別)となっている。

fi-7480の外観

fi-7030の外観