Logitech Internationalの日本法人であるロジクールは4月14日、大人数のグループ会議に適したカンファレンスカメラ「ロジクール GROUP CC3500e」を、法人向け製品として正規販売代理店にて販売を開始することを発表した。価格はオープンプライス。

「ロジクール GROUP CC3500e」

Logitech ビデオ・コラボレーション・グループ マーケティング責任者 ジョアン・ヴァンダーメイト氏

同社では、ビデオ会議用カメラのマーケットに4年前に参入し、現在では業界2位のポジションにあるという。Logitech ビデオ・コラボレーション・グループ マーケティング責任者のジョアン・ヴァンダーメイト氏は、同社の状況について次のように説明した。

「ワインハウスリサーチによると、2015年第3四半期における当社製品の出荷台数はグローバルで11万5000台となっている。成長率はグローバルで前年比55%、アジアパシフィックでは100%弱。一方、マーケットシェア第1位である競合他社は14万台弱の出荷となるが、前年比で成長なしと報告されている。当社は今年、業界第1位になると予測されている」

ビデオ会議用カメラの市場(ワインハウスリサーチから引用したLogitech社内の推計)

同社製品の特長は、「あらゆるソフトウェアと連携することができる点」だと、ヴァンダーメイト氏は言う。

「他社製品は自分たちのソフトウェア上で動かすプロダクトが多いが、当社製品は主要なソフトウェアにはすべて対応しているため、ユーザは複数のアプリを使って会議を行うことができる」(ヴァンダーメイト氏)

提携しているクラウドサービス

また、製品価格においても優位性があるという。

「アメリカでは約1000ドルで提供しているが、競合製品だと3~10倍の価格となる」(ヴァンダーメイト氏)

今回発表された「ロジクール GROUP CC3500e」は、従来機と比較して、カメラとマイクの性能が向上している。

カメラヘッドにはカールツァイス社製光学レンズと300万画素の画像センサ、10倍まで可能なデジタルズーム、オートフォーカス機能が搭載。90度の広画角レンズを内蔵モーターで上下左右に回転させることができ、水平方向260度、垂直方向130度までの広視野角での撮影が可能となっている。また内蔵H.264エンコーダーにより、最大1080p/30fpsのフルHD動画でテレビ電話を行うことができるという。

会議室の左にある船を

ここまでズームすることができる

スピーカーには、広帯域でクリアな音声通話を実現するデジタル信号処理DSPが搭載。また、これまで2つだったマイクの数は4つとなり、周囲の雑音を排除するエコー&ノイズキャンセリング機能に加え、新技術となるビームフォーミングテクノロジーが搭載。これにより、音声のレンジが広くなり、集音性が向上したという。さらに、大きな会議室に対応するため、拡張マイク(別売)が用意されている。拡張マイクを2つつけることによって、20人ほどの会議室をカバーすることができるという(拡張マイクがない場合は、約12名の会議室の大きさに対応)。

「大きな改善としては、スピーカーのボディが新しくなったこと。ケーシングは従来プラスチック製だったのが、メタル製になった。これにより、スピーカーとマイクが独自にアイソレーションすることになったため、エコーを防ぐ」(ヴァンダーメイト氏)

従来機のスピーカーはプラスチック製

「ロジクール GROUP CC3500e」のスピーカーはメタル製

今年業界1位を目指す同社の真の競合は、"既存のベンダ"ではなく"PC"だという。ヴァンダーメイト氏は、「会議室の97%はこのような会議システムが常設されていない。何もないという状態が競合」と語った。

また、同社は大人数のグループ会議向けだけでなく、オフィスのあらゆる場所をビデオ会議による協業の場に変えることで、さまざまな職場におけるワークスタイル変革の実現に貢献していくとしている。

「多くのオフィスでフリースペースに席をつくるというスタイルが頻繁になってきており、小規模な会議室が使われるようになっている。当社の製品はプラグインプレイスタイルのデバイス、クラウドソフトウェアを使ったパートナーとの協業によって、オフィスのニーズに応えることができる」(ヴァンダーメイト氏)