コミュニケーションからサービスへ

日本コカ・コーラ コマーシャルリーダーシップ&ベンディング事業部 統括部長の二宮淳氏

「Coke ON」のマーケティング的な狙いとしては、2つ挙げられる。1つは、リアルタイムな購買データの収集である。アプリには一つ一つ番号が付与されており、誰が、いつ、どの自動販売機で、何を購入しているのかといった情報が、リアルタイムで収集できる。これにより、「コーヒーをよく飲む人にはコーヒーをレコメンドする」など、ユーザ一人一人に対して最適な提案を行うことが見込めるのだ。

2つ目の狙いは、新しいプロモーションをより短期間で実施することができる点である。二宮氏は、「だいたい年に4、5回大きなプロモーションを行っている。これまでは、企画を始めて、プレミアムを決め、海外に発注し、日本に戻ってきて、自動販売機につめて、ポスターをはるという一連の流れに、4~5カ月くらいかかっている。『Coke ON』だと、消費者に伝える方法はデジタル上となるため、物事が決まれば早くて1~2週間のサイクルでプロモーションを実施し、評価していけるのではないだろうか。極めて早いサイクルで新しいことをやっていける」と述べた。

日本コカ・コーラ マーケティング本部 IMC iマーケティング 統括部長 豊浦洋祐氏

同社のマーケティング本部 IMC iマーケティング 統括部長 豊浦洋祐氏は、「Coke ON」による同社のマーケティングの変革について、次のように語った。

「『Coke ON』の導入によって、私たちのマーケティング手法はよりイノベーティブになると考えている。これまでは、コンテンツといったコミュニケーション中心にデジタルマーケティングを実施してきたが、これからはより売上への貢献や、体験による価値提供を通したサービスを機軸にしたマーケティングに進化していく。これが、われわれのデジタルマーケティングの新たな方向性である」

「Coke ON」が実現するマーケティング変革

今後の「Coke ON」は?

今回は「Coke ON」のサービス第1弾として、「スマホ自販機」でのロイヤリティプログラムが発表されたが、第2段となるサービスはリオオリンピックと連動したサンプリングが企画されている。今年の8月5日に開幕するリオオリンピック期間中、日本人アスリートが金メダルを獲得した瞬間に、ユーザへドリンクチケットがプレゼントされるという企画だ。

また現在、検討中の企画には、スマートフォンの位置情報機能を利用した、エリア別のサンプリングといったものもある。例えば、夏に最高気温が30度を超えた地域にはアクエリアスを、逆に冬場、最低気温が0度を切った地域にはホットジョージアを提供するといったサービスだ。

直近の同社の目標としては、「Coke ON」アプリを2016年末までに200万ダウンロード、「スマホ自販機」は2016年末までに全国で14万台の導入を設定している。4月8日の時点では、新宿、渋谷、池袋、上野、秋葉原、大宮、千葉、横浜の主要駅周辺など、全国約50カ所で設置される予定だ。

4月8日から設置されるエリア。「スマホ自販機」の設置場所は、「Coke ON」アプリ内の「スマホ自販機」検索画面で随時確認することができるようになっている

「Coke ON」アプリは、iPhone版は4月8日より提供が開始されるが、Android版は4月中旬以降、動作確認ができた機種から順次、Google Playより無料でダウンロードできる予定となっている。

また、2016年6月30日までの間に「Coke ON」アプリをダウンロードすると、利用開始時に5つのボーナススタンプがプレゼントされるという。街中で見かけた時には、チェックしてみるとよいだろう。