富士通は4月7日、メインフレーム「FUJITSU Server GS(フジツウサーバジーエス)21シリーズ」上のソフトウェアで、データベース連携を行う「FUJITSU Software Linkexpress Transactional Replication option(フジツウソフトウェアリンクエクスプレストランザクショナルレプリケーションオプション、以下、Linkexpress TRO)」など、クラウドやモバイルとの連携に向けた機能強化を行い、順次提供すると発表した。

メインフレームとSoE(System of Engagement)の連携イメージ

今回の機能強化により、従来の信頼性や可用性を保ったまま、既存の基幹アプリケーションや基幹データをクラウド上のシステムや営業現場などのビジネスフロントからシームレスな連携を実現。これにより、オープンシステムとメインフレームを有機的に結びつけることで、基幹データ活用の可能性を広げ、顧客のビジネス拡大、ワークスタイル変革、競争力強化に貢献するという。

提供するソフトウェアの特徴として、Linkexpress TROは対象となるオープンシステム側のデータベース管理ソフトウェアに、従来のSymfoware、Oracle Database、Microsoft SQL Serverのほか、オープンソースソフトウェア(OSS)のPostgreSQLやPostgreSQL互換のオープンインタフェースをサポートしたSymfowareに対応。これにより、メインフレーム上の基幹データの解析にOSSを使用する数多くの安価なパッケージが利用可能な点がある。Linkexpress TRO(Linux版)V5.0が一括50万円(税別)~、2016年10月の提供開始を予定。

また、デジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(フジツウデジタルビジネスプラットフォームメタアーク)」の中核となる「FUJITSU Cloud Service K5(フジツウクラウドサービスケーファイブ)」などのPostgreSQLの導入が容易なパブリッククラウドサービスを活用することで、顧客情報や販売情報といった基幹データのビッグデータ解析システムを短期間で構築でき、顧客の新規ビジネスの早期立ち上げを支援するということが挙げられる。

さらに、マイナンバー導入など情報システムのセキュリティ対策への関心が高まる中、モバイル端末などのWebブラウザからメインフレーム上の基幹業務を行う「WSMGR for Web」のセキュリティ機能を拡充。

新機能「アクセスコントロール」により、アクセスする利用者・端末ごとの操作制限だけでなく、許可されていない操作の実行をシステム管理者へ通知するなどの監視設定が可能となるほか、新機能「ログビューア」により全ユーザの操作ログの検索や分析、監査時の調査が容易となるという。価格はSMGR for Web V7.2(Windows版)で一括13万円~、すでに提供を開始している。

加えて、メインフレームとモバイル端末や拠点サーバなどとのデータ連携を行う「FUJITSU Software VTAM-G (フジツウソフトウェアブイタムジー、以下、VTAM-G)」は連携対象となる端末やサーバの追加時の連続可用性を向上させている。

これにより、現場のタブレットやスマートフォンなどのモバイル端末からメインフレームのデータへアクセスするといったワークスタイルをメインフレーム上の業務・サービスを止めることなく、柔軟に拡張することができる。価格はOSIV/XSP VTAM-G V30で月額12万円(同)~、OSIV/XSP VTAM-G V30で同1万6000円(同)~となり、OSIV/XSP VTAM-G V30は2016年9月、OSIV/XSP VTAM-G V30は同年10月の提供開始を予定している。

そのほか、中小型メインフレームにおける固定電話網やISDNによる企業間・システム間の通信ネットワークのスムーズなIP化を容易にするため「FUJITSU Software NETSTAGE/OX (フジツウソフトウェアネットステージオーエックス、以下、NETSTAGE/OX)」を新規に販売。既存の業務アプリケーションを変更することなく、通信ネットワークをIP化することで顧客のシステムの最適化を実現するとしている。価格はOSIV NETSTAGE/OX V10で月額6万円~、2016年6月の提供開始を予定している。