投球の幅を広げた楽天・釜田佳直。ゴロを量産、107球から見えた成長

8回無失点、ゴロアウトは10個
 27日のKoboスタ宮城で行われた、開幕カードのソフトバンクとの第3戦。楽天は10回に大量失点を喫し0-7で敗れたが、澄み切った青空と天然芝の鮮やかな緑に彩られ、「闘球」が春風のように躍動した。

 楽天の先発、今季初登板の釜田佳直が紡いだ107球だ。

 開幕前の対外戦初先発を2月25日ホークスとの練習試合でスタートさせた高卒5年目右腕。そのときは4回6安打5四死球6失点とソフトバンク打線に飲み込まれる形になったが、この日は8回無失点。8回まで投げたのは1年目8月のプロ初完封勝利以来だった。

 打者29人に許した安打は、内野安打1本を含むわずかに3本だ。4つの三振を奪い、与えた四球は2つ。
 これまでの釜田は綺麗なストレートを軸に、120km台後半から130km台前半のスライダーを多投していた。しかしこの試合では130km台後半のカットボールを中心に、スライダーやカーブ、フォークなどの変化球と組み合わせて、ストライクゾーンの中で球を動かし、打ち損じを誘った。これは従来あまり見られなかった投球術だ。
 打ち取った凡打は実に11本。中盤以降はゴロアウトも増えてその総数は10個を数えている。

 特に5番・カニザレスとの3打席を完璧に抑えたのが大きかった。
 この3打席は1回2死一、三塁、4回無死一、二塁、6回2死一塁といずれも得点圏に走者を置いたシーンだった。
 前日2安打1四球1打点と当たりが出ていた鷹の助っ人打者に対し、変化球主体の全10球。合計7球で空振りを奪い、3打席連続三振にねじ伏せた。




同級生との投げ合いが刺激に
 昨年はトミー・ジョン手術からの復帰シーズンになった。8月29日西武戦で685日ぶりの1軍復帰登板を飾ると、味方打線の力強い援護射撃もあり、1074日ぶりの先発勝利を収め、「ただいま。帰ってきました」と本拠地で歓喜の復帰宣言。

 以降3試合で投げて4戦1勝1敗、防御率6.75の成績を残すシーズンになった。しかし、本人も良く自覚するように、復帰はしたが、復活したわけではない。今季は完全復活へ向けての試金石となる重要な1年。その最初の一歩を良い形で踏み出すことができたのは、3年越しのリベンジを目指す楽天にとって大きな朗報だ。

 好投の背景には、ホークス先発が同じ93年生まれの武田翔太だったことも大きい。ルーキーイヤーの2012年、釜田が交流戦の甲子園でデビューを飾ると20試合112.1回で防御率3.28、7勝4敗。武田は7月にプロ初登板を踏むと11試合67回で防御率1.07、8勝1敗。一時は共に新人王候補に挙げられるほどの躍進だった。

 同級生に対する強烈なライバル意識が、好投へのエネルギーになった。初登板で見せた、新生・釜田のスタイルは今季通用するかどうか。2戦目が重要な試金石となる。